秘事始

written by さくらさま










パタン。

冷蔵庫からエヴィアンのボトルを取り出し、風呂上りの火照った身体を静めるべく、冷たい液体を喉に流し込んだ。
拭いきれていない雫が髪から垂れる。
真澄は頸にかけたバスタオルで髪を拭くと、手で無造作に整えた。

口の開いたボトルを持ったままリビングの方にまわり、カウンターの椅子に腰掛けた。
綺麗に整理されたカウンターの端に置かれた小さなメモを見て、真澄は苦笑した。


    『おかえりなさい。
     速水さんが帰ってくるのを
     待ってようと思っていましたが
     どうしても起きていられません。
     少し横になるので、帰ってきたら
     絶対に起こしてください。
     絶対ですよ!
                  マヤ』


時計を見ると日付が変わるまで、まだ10分あった。

マヤと一緒に年を越そうと、必死で仕事を終わらせ、急いで部屋に戻ってきたのは40分前。
玄関には確かにファーのついた小さなブーツはあるのに、物音一つしない。
室内は綺麗に掃除され、リビングの電気もついているというのに、愛しい人の姿はなかった。

リビングの奥の寝室のドアが不自然に開いているのに気付くと、真澄はそっと近づいた。

「マヤ?」

ドアを開けると、ベッドランプの仄かな明かりの下で眠るマヤを見つけた。

「待ちくたびれて寝てしまったか。」

真澄は踵を返して寝室を出ると、バスルームへと向かい汗を流した。

真澄はもう一度水で喉を潤すと、ボトルとバスタオルをカウンターに乗せた。
戸締りを確認し、リビングの照明を消して寝室へ赴き、マヤの眠るベッドに腰を下ろした。
マヤは相変わらず真澄のパジャマを着ている。
自分に背中を向けた姿勢で眠るマヤに、覆い被さるように左手をマヤの顔の近くに置いた。
ベッドに置いた手に軽く体重をかけ、眠るマヤに顔を近づける。

「マヤ。」

マヤの耳元で囁くが、一向に起きる気配はない。
もう一度声を掛けると、う〜ん、と小さな呻き声を上げ身体を上に向けた。

閉じられた瞳、半開きの唇、大きく開いた襟元から覗かせる白い肌と膨らみ。
パジャマの裾から伸びるしなやかな脚。

マヤは寝ながらにして真澄を誘っていた。
実際は誘っていないが、真澄には誘われているように見える。

真澄はパジャマの上からマヤの躰に指を這わせた。
するとマヤはくすぐったそうに躰を捩る。
その姿がまた真澄に火をつけた。

パジャマのボタンを一つ一つゆっくりと外すと、丸みを帯びた双球が真澄の前に現れた。
その膨らみに指を滑らせ、そっと撫でる。

「んっ...」

ここにきてようやくマヤの意識が戻ってきた。

「は、速水さんっ?」

「静かに。」

自分の躰を這う指を感じマヤは飛び起きようとしたが、真澄に組み敷かれた。

「ちゃんと起こしてあげるから。」

そう言って真澄の指が膨らみの頂上に咲く可憐な蕾を摘む。

「あ、あぁっ...や、やめっ...」

抵抗したいが真澄によって官能の波に攫われる。
真澄はマヤの抵抗を遮るように唇を重ねる。
マヤが呼吸を求めて口を開くと、その僅かな隙間から真澄の舌が滑り込んだ。
逃げるマヤの舌を追い、絡め、吸う。

真澄はマヤの口内を貪りつくすと、銀の糸を引きながらマヤの躰をなぞって下りていった。
目指す頂上の蕾を口に含むと、舌で転がす。
マヤの躰は真澄の刺激に素直に反応し、さらに硬くなる。
軽く甘噛みすれば、眉を寄せて熱い吐息を吐く愛しい人。

「あぁっ...んんっ...」

舌先で真っ白な肌を舐めながら左手は乳房を揉みしだき、右手の人差し指と中指の2本をマヤの口の中に挿れ口腔内を犯す。
マヤの身体中を真澄の唇が這い、バラの花びらが散っていく。

「んんっ...は、あぁ...」

真澄に甚振られ、マヤの中の女が目覚めようとしていた。
真澄はそんなマヤの僅かな変化を見逃すことはなかった。
マヤの口内を弄んでいた2本の指は、ゆっくりとマヤの下腹部へと下りていく。
露に濡れ、湿り気を帯びた草叢を掻き分けて蕾を探り当てた。

「あっ..あぁっ...」

指が蕾に触れると、マヤは痙攣を起こすようにピクピクと足先を震わせた。

真澄は丁寧に蕾の中の芯を剥き出し、たっぷりと蜜を塗る。
指先で転がされたそれは大きく膨らみ、真澄を愉しませた。
マヤの喘ぎ声とともに蜜が溢れ出す。

「こんなに濡らして...」

「んんっ...だって..速水さんが..あぁっ...」

「悪い子だ。お仕置きが必要だな。」

真澄は蕾の下の花芯に指を差し挿れた。

「はぅっ...」

マヤは僅かな抵抗を見せ、真澄の指先を締め付けた。

キツイが熱くて柔らかいマヤ。
真澄が力を入れてぐいっと押し入ると、マヤの背中は反り返りった。
真澄はもう1本の指を挿れ、マヤの胎内を掻きまわすと、零れる蜜は真澄の手をしっとりと濡らし、真澄の指に絡みつく。
マヤの胎内は真澄の指を咥え、ぴったりと吸いついた。

真澄は入口のすぐ上の丘を刺激する。
真澄の巧みな刺激にマヤの腰が妖しく揺れる。
真澄は初めはゆっくりと、次いでリズミカルに2本の指をマヤの花芯から抜き差しした。
マヤの鳴き声とクチュクチュという淫靡な音だけが室内に響く。

マヤの中は蕩けるように熱い。
真澄は己の指を締め付ける内壁と収縮の波を感じ、指の動きを速めた。

「一度いけ。」

真澄はさらに責め立た。
マヤは真澄の指を締め上げ、花弁を震わせる。

「ああぁ...あぁぁぁぁぁぁ...」

マヤの絶叫とともに、真澄は弾力のある収縮としとどなく溢れる蜜に満足を得た。

真澄はマヤの嵐が去らないうちに、マヤから2本の指を引き抜く。
そしてマヤの膝を立たせるとそのまま大きく足を開かせ顔を近づけた。
絶頂を迎えたばかりの花芯は充血し蜜を滴らせていた。
大きく腫れた蕾を円を描くようにゆっくりと転がし舐める。
マヤは弓のように仰け反り、爪先立った足が震えた。

「ぃやっ...ああぁぁぁ...」

真澄は舌先で蜜を掬い、弾けんばかりに肥大した蕾に唾液と蜜を塗った。
マヤの花弁が再びヒクヒクと震えるのを感じると、真澄は唇を滑らせ溢れる蜜を啜る。
真澄は花芯に舌を挿れ、ピチャピチャと音を立ててマヤの胎内を味わう。

真澄の舌に責められ、真澄の熱い吐息が花弁を揺らし、マヤの意識は朦朧としていた。

全身を薄紅色に染め、唇を濡らし、欲情に濡れ潤んだ瞳は真澄自身を十分に刺激する。
真澄は躰を起こすと自身の熱い塊を奥まで一気に貫いた。

「ああぁぁぁぁっ...」

突き上げられた悦びにマヤが鳴いた。
堅く巨きな塊に支配され、理性を壊されたマヤの呻き声。
真澄が動くたびにマヤの締め付けが強くなる。

真澄はマヤの胎内を存分に味わい、烈しく揺らす。
湿った音とぶつかり合う音。
絡まる吐息。

マヤの躰をマヤ以上に熟知している真澄は、マヤの一番感じる場所を執拗に責め、灼熱の塊を擦りつける。
マヤの締め付けが一層強くなるのを感じ取ると、真澄はマヤの背に手を差し入れ、繋がったまま一気にマヤを起こした。

マヤは真澄に抱きかかえられる形をとらされ、羞恥のため真澄から顔を背けた。
しかし真澄はそれを赦さず、マヤの顎を捉えるとマヤの唇を烈しく奪う。

「んんっ...」

僅かに開かれた場所から真澄は舌を挿れ、マヤの口内を貪りはじめた。
マヤは上下から責められ、さらに自分の重みによって先ほどよりも深く入った真澄を感じ、自分の中の何かがざわつくのを覚えた。

「マヤ..好きなように動いてごらん。」

真澄は優しく促しながらも執拗に舌を絡め、腰を動かしマヤを突き上げた。

「あっ..ああぁっ...あぁぁぁぁっ...」

マヤは真澄の首に手を絡ませ、真澄に捕らえられた舌で真澄を追う。
いつも真澄がするように歯列をなぞり、口内を弄り、真澄の舌を捕らえる。
マヤは真澄の巨きさに悦び、真澄の逞しさに我を忘れた。
マヤの腰が上下に揺れ、真澄を深く咥え込む。
一度昇りつめたマヤの躰は、真澄を容赦なく締め付けた。

「うぅっ...」

真澄もまたマヤに囚われた。
マヤのあまりの締め付けに真澄は限界に近いことを悟ると、より烈しい律動でマヤを責める。
マヤが逃げないように押さえつけると深く強く打ちつけ、マヤの最奥を突き上げた。

「マヤっ。」

「あぁぁぁぁぁっっ.....」

真澄がマヤの中でさらに巨きくなたとき、マヤは真澄をぎゅっと締め付けた後ヒクヒクと痙攣させた。
真澄はマヤの締め付けに耐えられず、ドクドクと脈を打ちながらマヤの中に己の熱い想いを注ぎ込んだ。

 

 

          ************************

 

 

「おれは幸せ者だな。」

真澄は横たわるマヤの髪を梳きながら言った。

「今年最初に見たのが、きみの一番美しい顔なんだからな。」

「え?」

「おれだけに見せる顔。」

「....ばかっ(////)」

「愛してる。」

「速水さん...」

真澄はマヤを抱きしめ、腕の中の温もりに幸せを噛締める。
マヤの幸せは真澄の幸せであり、真澄の幸せもまたマヤの幸せだった。

「今年がきみにとって良い年であるように。」

真澄はマヤのおでこにキスを一つ落として瞼を閉じた。













終わり








さくら様よりのコメント:
18禁っぽいものを書いたのは初めてなので、どんな具合かなぁとちょっと心配ではありますが、私なりに頑張って(笑)書いてみました。
まっ、私にはこのレベルが限界かと思われます。
この作品を書くにあたり『ひめはじめ』を調べたところ、まぁいろ〜んな意味があると初めて知り、勉強になりました。
「飛馬始め」、「火水始め」、「女伎始め」、「姫糊始め」、「秘め始め」....
江戸時代から暦に出現したみたいですけどその解釈はなく、最後の解釈が江戸風俗文学によって流布され、俗説として世間一般になってしまったらしいです。 ひめはじめのひめとは本来、姫飯(ひめいい)の意味で粥のことらしく、これ以上の話は筋道からそれていくような気がするので、ここまでにしますね。
で、タイトルはなんの捻りもない『秘事始』としました。男女の交わりだけでなく、新年最初の秘め事であればそれは立派な「ひめはじめ」とのこと。
でもここではやはり交わっていただきました(笑)。


紫苑より:
さくらさんよりお年越しお年賀を頂戴致しました。ふふふっ。
年始早々ご覧になるかたもいらっしゃることと思いますので、素敵なお年賀になりました。
きっちりと丁寧な描写がいかにもさくらさんらしいですね。交わっていただけて何よりでした。良かったね〜おふたりさん、新年から!
さくらさん、2006年も益々素敵妄想で走っていってくださいね♪
今回も誠にありがとうございました!


2005/12/31


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