【おことわり】
本作には「ハンセン病」という病気が登場します。この病気を称する言葉として、「らい」という言葉が使われています。
「らい」という言葉は過去様々な偏見を伴って用いられ患者の方々の尊厳を傷つけた経緯がありますため、できるだけ「ハンセン病」の用語を用いておりますが、歴史的史料等の関係上、最小限の範囲で使用する旨、御容赦下さい。


Chapter 1


初夏の陽光が差し込む、大都芸能の社長室。
机の決裁箱にうず高く積まれた書類の中から、真澄は一通の稟議書に目を通していた。

「速水社長、かねてより検討中の北島マヤに対する出演依頼の件です。
役員会を通過した3件から、本作を北島が希望しております。
問題ないようでしたら、ご決裁の程、よろしくお願い致します。」
「わかった。万事滞りなく進めてくれ。」
 
バンッ。
真澄は、淡々と決裁の判をついた。

かすかにもらされた溜息は、判子の音とともにかき消され、
傍らで説明する専務と企画部長に聞こえることはなかった。


北島マヤが、姫川亜弓と紅天女を競った末、
紅天女上演権を獲得したあの試演から、はや1年半。
試演後ほどなく、新たな紅天女の誕生を見届けた月影千草は静かにこの世を去った。
世間の思惑をよそにマヤは大都芸能所属となり、
社長である速水真澄個人に上演権の管理を預託する形で決着をみた。

紅天女女優となって以降、マヤには幾多の出演のオファーが殺到している。
真澄は大都芸能の組織力をフルに駆使し、オファーの中から
作品の構成・演技の向上・知名度・興業・採算面、全てを考慮した
出演作品候補を複数厳選し、その中からマヤの希望に従って決定していた。

今回、大都芸能で候補とした作品は3つ。
TVの連ドラ(全10回)の準主役で、ブライダルコーディネーターを志し、主人公と恋愛関係になるOL。
舞台劇で、痴呆症の老人と交流を深める介護福祉士の40代の女性。
夏休みTVスペシャル(2時間枠・前後編)の主役で、生涯をハンセン病患者の看護に捧げた看護婦。

マヤが選んだのは、看護婦役だった。
“この先のスケジュールからして、これで来るだろうとは予想していたが…。
 よりによってこの企画が上がるのが今年この時期とは……。“

マヤは昨年、新生・紅天女の初年度であった為、
梅公演(=紅天女東京公演)及び各地方公演以外は、舞台1本を除き基礎訓練に終始していた。
今年は既に、11月の「ふたりの王女」再演が決定し、程なく翌年度の梅公演の準備に入る。

「ふたりの王女」再演は、姫川亜弓の日本での女優復帰作となる。
亜弓は試演の後、目の治療と演出の勉強の為に渡仏していた。
亜弓の体への負担も考慮し再演という選択をしたものであるが、
かつての紅天女候補同士の再競演という事で大変な注目を集めていた。
しかも今回は前回とは逆の配役。
マヤも亜弓もひとかたならぬ意欲を見せている。
となればスケジュールも自然、「ふたりの王女」と「梅公演」を優先したものとなる。

TVの連ドラは役柄は難しくないが拘束時間が長く、秋以降の準備に支障が出るし、
舞台劇は遣り甲斐ある役だが、出演媒体が舞台に偏りすぎるし興業面も弱い。
TVスペシャルであれば拘束期間も適度である上、
ここ数年実力派俳優を起用し内容・視聴率ともに非常に高い評価を得ている。
今回の主人公は主役で演技力の幅も広がる。
演劇界では有名だが一般的知名度が今ひとつのマヤには、うってつけの企画であった。

“だが……”
大都芸能の社長として私情はいれまい、と常に真澄は思う。
それなのに、自分でこの作品を選び決裁までしながら、真澄は一抹の不安を覚えた。
“マヤが、あの事〜6年前の真澄自身の最大の過ち〜に、また、苦しむのではないか?”


その日の夜。
マヤは、ここ1年一人暮らしをしている自宅マンションに帰宅した。

「はぁ、すごい〜…。“日本のマザー・テレサ”かぁ。
あたしと同じような年で、難病の看護に一生を捧げて…あたしにできるかしら。」

自室のカウチソファーにドサっと身を投げ出し、白い天井を見つめるマヤ。
ふと、手にした仮シナリオの表紙に目を移す。

『2007年度 美生堂夏休みヒューマンスペシャル第二弾
甦る日本のマザーテレサ 井深八重の愛と献身の生涯  』

マヤが今回演じる役柄は、看護婦(現在は看護師)・井深八重。
カトリック看護協会初代会長、そして「フローレンス・ナイチンゲール記章」受賞者である。

井深八重(1897-1989)は、旧会津藩家老を先祖に、
父は国会議員・叔父は明治学院大学学長という身分高い家柄の令嬢であった。
(現在のソニー株式会社の創業者である井深大は親戚にあたる。)

長じて同志社女子高校・大学を卒業後、長崎県立女学校の英語教師として赴任し、
何ら陰りなく幸せな人生を歩んだ八重。
しかし22歳のとき見合結婚を目前にして突如、八重の人生は暗転する。
体調不良から診察を受けたが検査結果さえ知らされぬまま病院に連れてこられた八重。
そこで彼女は、ハンセン病(当時は『らい病』と称した)にかかったと言われてしまう。

ハンセン病は八重22歳当時つまり昭和初期においては「らい病」と呼ばれ、
遺伝疾患であり恥ずべき業病、との誤った認識が世間に流布していた。

八重もまた病院に隔離され、絶望の淵に沈む日々であったが、
入院から1年後、なんとハンセン病の診断が誤診であると判明する。
闘病の間、八重を暖かく見守っていた病院のレゼー神父からは
施設を出るよう勧められ、神父の故郷フランスへの留学も打診される。

ところが八重は、渇望していた外の世界に戻る道を選ばなかった。
退院してすぐ勉強し看護婦の資格を得た八重は、あれ程絶望していた病院に戻った。
以来病院のただ一人の看護婦として、戦前戦後を通じらい病患者の看護に身を捧げた。
八重は生涯を通じ、華やかな場所に出たり名声を求めることは、一度たりともなかったという。

“すごいお嬢さまなのに、大変な人生を送ってきた人なんだわ。”

正直な話、マヤはそれまで全く八重のことを知らなかった。
今回の企画も、個人的には舞台が好きだし、舞台劇とTVのどちらを選ぶか迷った。
それでも、突如病気と言われ隔離され、更に隔離された場所で生涯を過ごす決心をした女性が、
今の自分とほぼ同い年であったことに親近感もあったし
またマヤの心に何となくひっかかるものがあった。
“この人のこと、もっと知りたいな……”

マヤはパラっとシナリオの頁を開く。
開いたページから飛び込んできたのは、ハンセン病にかかった直後の八重のセリフ。
『私は、この一週間で、一生分の涙を流してしまいました……』

“22歳って、ホント今のあたしと同い年だ。”
“一生分の涙って、どのくらい泣いたら一生分なんだろう?
病気で施設に入ることが、どのくらいつらかったのかしら?“ 
“あたしも、結構いっつも泣いてるけど、一生分泣いたってことあったっけ…?”

自分がいつそんなに泣いただろう、ふと昔の記憶を辿る。

“ああ、そうだ…”
マヤは、思い出した。

およそ2年前。試演直前に阿古夜の演技がどうしてもできなかった頃。
紫のバラの人、つまり真澄から絶縁状が送りつけられた上、
あろうことか真澄本人から紫のバラの花束を投げられたときのこと。
紫のバラが途絶えるショックに、真澄に拒絶されたショックも相まって
毎晩、毎晩泣いていた。
自分の身体のどこにこんなに涙が残っているのかと思った。

幸いにも自分が紅天女となり、幸いにも紫のバラの人である真澄と意思が通じた。
絶縁状の真相も花束を投げた真意も聞けたし、互いへの気持ちも伝え合うことができた。
もはや、この頃の悲しみは過去の話となっていたのである。

“そうでなければどうなっていたんだろう……”
今更ながらに、マヤは身震いした。

それから、6年前のこと。
母、春を亡くし、そのショックから罠にはまった失踪事件。
芸能界を追放され、演技がまったくできなくなった自分。
全てを失い、閉じ込められた速水邸で、食事も喉を通らず涙に暮れた日々。

苦い記憶。
形容しがたい苦味が、マヤの体のなかからじわっと滲み出し、徐々に広がる。
数年間の紆余曲折を経て、自分はようやく演劇の世界には戻ってこられた。でも……
“母さんは、二度と、帰ってこない。”

なぜ、演劇のためとはいえただ一人の肉親である母を捨てたのだろう。
なぜ、母の居所を知っていたのに、連絡の一つさえしなかったのだろう。

“あたしの思慮に欠けた振る舞いが、母さんの命を縮めてしまった”
自らを苛みつづける自責の念とともに、
悔恨の滴が一筋、頬を流れ、ソファに染みをつくる。
それと同時に、心の奥底に閉じ込めたものがマグマのごとく湧き出てくるのを、
マヤはどうすることもできずにいた。

“速水さん、なぜ…?”

もう、とうの昔に理解し、赦した筈ではなかったのか。
想いを通じ合わせたあの時を思い出す。
自分は母を死に追いやった男だと、ためらいがちに呟いた真澄。その姿に、
「何があっても、私は速水さんが好きです。
母さんのことは、あたしが悪かったんです。速水さんのせいだなんて思ってません。
自分の心をどうしようもできない位に幼くて、速水さんに八つ当たりしたかった…。
最初に家出して母を捨てたのは、私です。」
と言い切ったのは、他ならぬマヤ自身であった。
それなのになお、気にかかる。

なぜ速水は、自分を成功させる演出とはいえ、監禁、隔離に走ったのか。
せめてマヤの情報や演出のことを母に伝えてくれていれば、こんな結果にはならなかった。
なぜ速水は、何も語らないのか。あの事件の直後に『謝り方を知らん…』と言ったきり。
今もなお彼が、母の墓を折りにふれて訪ねてくれているのを、自分は知っているのに。

“貴方は今、どう思ってるの?” 
“あたしが悪い、あれでおしまいなの…?”

今更考えても詮無いのに、暗褐色に染まった思いが泥の如くマヤの心を覆い、
潤んだ瞳は、目の前の天井を曇らせる。
“ああ、またか…” と思ったその瞬間、

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
凡そ今の気持ちにはそぐわないトロイメライの調べが、携帯から流れる。
“噂をすれば影、とかいう言葉があるけど……”


「もしもし、マヤ?俺だ。今、大丈夫か?」
声の主は、他ならぬ愛しい人。
会いたい、せめて言葉だけでも聞きたいと思っている人。
実際、忙しいにもかかわらず月に何度かはマヤと会う時間を作ってくれるし、
電話であればほぼ毎日掛けてくれる真澄の優しさを、マヤは嬉しいと思う。
でも今夜ばかりは、何となく気が重い。

「ええ、速水さん。今もう家に帰ってきてるから。」
「…そうか、ちょっと声の調子が今ひとつのようだが?」
「え、そう?…ちょっと今ソファで何も掛けずにウトウトしちゃって、あははは。」
「ちびちゃん、君、」
「『君も女優のはしくれなんだってことを自覚しろ!』でしょ?」

いささか声を落として、マヤは真澄の声色を真似してみる。
さすがに天才女優といわれるだけあって、声質自体はともかく、言い方は真澄そっくりだ。

「なかなか上手いところをついているが、少々訂正させてもらうぞ。
『君は、世界でたった一人の紅天女女優だってことを自覚しろ!』。
もう『はしくれ』というのは失礼だろう?もっと自信をもてばいいじゃないか。」
「あたしホントにはしくれだもん。芸能界は学生の時の3年プラス最近3年半だけだし。」


かの『紅天女』試演は、真澄とマヤの関係にとっても運命的な転機となっていた。

紅天女に身をやつし、全身全霊で真澄への愛を伝えるマヤ。
その姿に大きな衝撃を受けた真澄は、自らの心を偽って生きてきた己を恥じた。
真澄は積年の想いをマヤに伝え、紫織との婚約解消を決意するに至った。

婚約解消及び鷹通グループとの業務提携に関する折衝は難航を極めたが
漸く目処がつき、真澄は半年程前からマヤとの交際を開始していた。

その実、紅天女女優として『日本の若き至宝』とさえ噂されるようになっても
全く驕ることなく演劇にまい進するマヤの謙虚さを、真澄は好きだった。
一方で、役者の仕事において国内最高クラスの評価と受賞歴を誇り、
プライベートでも一人の女性として真澄に愛され充実しているはずのマヤが
舞台上以外では未だ謙虚さゆえか自信が持てず、
また時に遠慮が過ぎて言葉少なになることが、もどかしくもあった。

「まったくマヤ、君って子は…。」
真澄は苦笑し、ちょっとおどけてみる。

「演劇が年数の問題じゃないってことくらい十分すぎる位判ってるだろ?
 大都芸能だって潰れちゃ困る、『はしくれ』に、目玉企画の主役などお任せしませんよ。
 今日夏の企画が俺のところに回ってきたから、マヤの希望通りに決裁しておいた。」

「速水さん、じゃなかった速水社長、希望を通して下さって有難うございます。」

マヤも負けじと、少しばかりわざとらしい丁寧語で返してみる。
今、紅天女女優として仕事を選べる贅沢な環境にあるのも、
真澄と大都芸能のバックアップがあってこそだというのが、マヤには十分判っていた。
今の今まで、昔の事で愛する真澄にわだかまりを感じ涙してたなんて、絶対にバレたくない。

「でも冗談抜きで嬉しい。
良いお話が沢山来て、しかもあたしの希望を入れてもらえるなんて。」
マヤは続ける。
「あたし、沙都子役の後は舞台しか出てないし、いきなり連ドラは考えなかったんだけど、
残り二つが介護関係で迷ったの。でも八重さん丁度同い年だし、
ハンセン病のこと殆ど知らないけど今やるならこれだ、って。速水さんどう思う?」

「そうだな……マヤが一番やりたい役が、俺の一番見たい役だからな。
ただ今回に限れば、今マヤが言ってた年齢や八重役の難しさもあって、
TV局と美生堂の双方からどうしても北島マヤでいきたいと強く希望が出ていたんだ。
何でも当時の八重に君が似ているとかで、スタッフでも話題になったらしい。」
「あたしが? 速水さん、八重の写真見たの?」
「ネットで検索したら若い頃の写真があった。瓜二つとまではいかないが、
可愛くて黒い目や瞳の強さはマヤと似ているな。見てみるといい。
部屋のPC使えるはずだぞ。機械音痴のマヤでもHP閲覧くらいはなんとかなるだろ?」
「ぐっ…」

口ごもるマヤ。
超のつく機械音痴の彼女だが、最近必要に迫られやっと携帯のメールを使い始めた。
だがPCは画面が暗くなると(…実は節電モードなのだが)壊れた気がするし、
ダブルクリックが上手くできないので、
真澄と一緒でないときはPCを開かないようにしていたのである。

「なんか、速水さんと一緒でないとあたしPC壊しそうで・・止まったり暗くなったりするし…」
「あははは…!じゃあ今教えるから、左側の主電源を入れてみろ。」
そんなに爆笑しなくたって…とひとりごちるマヤであったが、
使い方もとうの昔?に忘れたことだし、真澄が一緒にやってくれるのは有難かった。

電話越しの指示通りに、ブラウザを立ち上げ、Yahooのトップページをホームに設定する。
検索窓に『井深八重 看護協会』と入れて結果表示先をクリックすると、
ほどなく愛らしい八重の写真が現れた。
「わぁ、かわいい人……あたしに似てるなんて勿体無いわ。」
「ずっと可愛らしく献身的な看護で、『母にまさる母』と患者に慕われていたそうだ。
もっとも、八重はすばらしい人だが、俺にはマヤのほうがかわいいぞ。」
「ちょ、ちょっと……。」

真澄は、相変わらず口が達者だ。
思わず顔が赤くなるのが判り、マヤは少々話をそらす。

「あ、速水さんちょっとまってて。もうちょっと調べたいことがあるの。」
マヤが『ハンセン病』で検索すると、トップに国立ハンセン病資料館のHPがあり、
資料館のHPには全国の療養所HPへのリンクがあった。
再びマヤが口を開く。
「あ、あったわ。速水さん、実はちょっとお願いがあるんだけど…。」
「マヤが頼みごととは珍しいな。どうした?
 欲しいものがあったのなら、次に出かけるときに好きなものを買ってやるぞ。」

「ちがうの。今回の企画ね、今シナリオ読んでるんだけど、
役を掴むには撮影前に、もう少し八重やハンセン病のこと知らなきゃなって。
で、今HP見たら資料館と療養所が都内にあるけど、療養所の見学は団体の予約制だけみたい。
直接あたしから個人見学お願いしていいのか、TVだと大都を通すほうがいいのか、
誰にお願いすればいいか判らなくって。」
「ああ、それなら俺でいい。
まあ水城君でもマネージャーでも大丈夫だ。最終的には俺に話がまわるからな。
TVがらみだから当然大都を通したほうがいい。見学の件は企画部から頼んでみる。」

真澄にしてみれば、大事なマヤとのひとときをこの話に終始したくなかった。

確かに八重は、マヤにははまり役だ。
だが、マヤが病気で病院に隔離される八重になりきろうとすればするほど、
敏感なマヤのこと、同様に感染症を理由に隔離監禁された母を思わない訳がない。
母を思えば、6年前の真澄の愚行を、マヤは嫌でも思い出すだろう。

実際、電話口に現れたマヤの声ときたら泣いた後のような鼻声をしていた。
しかも、シナリオを読んでいるところだという。
真澄とて、伊達に毎日ラブコールしてマヤの声を聞いてる訳ではない。
殊更ごまかすのが下手な彼女のこと、泣いた・怒ったで声が変われば、一発でわかる。

感染症をめぐる差別の悲惨な実態を更に知れば、マヤはもっと苦しいだろう、
真澄は話を続けようにも、息苦しさで一杯になってきていた。
とはいえ、マヤの役作りにハンセン病の実態を知ることは確かに不可欠。
マヤの頼みに応じ、そ知らぬ顔で返事をするほかなかった。

「ありがとう、速水さん。」
「どういたしまして。仕事熱心なお姫様の頼みを何とかして、早くデートの段取りを組みたいからな。」
「あっ、ごめんなさいっ」
謝る話でもないのに、つい謝ってしまいペコリとお辞儀までするマヤ。

「速水さん。次はいつになりそう? あたしは来月の撮影開始までならいつでも。」
「来週の半ばだな、予定固まったら連絡する。たまには食事もいいが、マヤも食べたいしなっ。」
「も、もぅっ。……連絡、待ってますね。」
「ああ、それまで丸寝して体壊すなよ。ゆっくりおやすみ、マヤ。」
「おやすみなさい、速水さん。」

受話器を置き、『ふぅ~っ』と、ため息をついたマヤであった。







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