written by リカリカ












 「マヤ、おいで。」

 コテージに着いた時よりも顔色は良くなったようだが、どこか儚げな彼女を膝の上に抱き上げてゆっくりと背中を撫でてやると、その小さな手を俺の首にまわして、頭を胸元に預けてくる仕種に愛おしさを覚えた。

 「かわいそうに、疲れが一度に出たんだろう。」

 シャンプーの甘い香りがする髪をゆっくりと梳いたり撫でてやりながら、そっと口づけると、彼女から緊張が抜けていくのがわかる。
 互いの忙しさを理由に中々会えなくなり、気が付くと、ふたりの間には小さな溝が出来ていて、彼女が自分から去っていきそうな不安を感じ始めていた。
 その不安を拭い去るように、強く抱き締めて執拗に彼女の唇を求め、熱い想いを告げるような口づけを何度も与える。

「んっ……んっ……はぁ……」

熱い口づけを素直に受け入れる唇から漏れる甘い吐息が、俺の耳元に絡みつく。

“君が欲しい”唇を合わせたまま訴えると、小さな手が胸元を彷徨い始め、しがみついてくる身体の柔らかさに、俺の自制心は崩れていった。



薄暗い部屋の中で、白い肌を晒す彼女の美しさに見惚れながらベッドへと運び、その愛おしい身体を腕の中に包み込む。
白く滑らかな彼女の肌を身体の下に感じ、柔らかな胸を押し潰してしまうほど強く抱き締めながら、これが夢ではない事を俺は祈った。
 掌で柔らかな白い肌を撫でながら、耳朶を甘噛みすると、彼女の身体に緊張がはしるのがわかった。
 
「マヤ、綺麗だよ。」
 
肩から胸の先端にかけての曲線にゆっくりと掌を這わせ、何度も唇を合わせる。
 
「はぁ……んっ……」
 
胸に指先を這わせながら蕾を口に含み軽く吸うと、彼女が身体を震わせた。
白い肌が淡い桜色に染まり、何かを求めるように細い指が彷徨い始め、俺の髪を梳くように撫でる。
蕾への愛撫を指に代え、唇を首筋に這わせその白い肌に俺だけの赤い印を付けながら、思い出したように耳朶を舌先でなぞっていると、彼女の戸惑いを肌で感じた。
一度愛撫の手を止めて、彼女の背中に手を差し入れ抱き締める。

 「急ぎ過ぎるか?」

 「速水さん……」

 「うん?」

 「速水さん……」

 「何?言ってごらん。」

 首筋から肩、腕へと指先で撫でながら彼女の答えを待つ。
 
 “愛してる”そう囁き瞳を閉じる彼女に、俺は愛おしさを覚え胸が熱くなった。

 「マヤ、愛しているよ。」

唇の合わせ目を舌先でなぞりながら開かせ、宥めるように彼女の舌先と絡める。、
 落ち着かせるように髪を撫でながら、舌を奥まで入れてその中をゆっくりと時間をかけて弄っているうちに、先程まで感じていた彼女の戸惑いはいつの間にか消えていた。

「怖くないだろ?」

掌に口づけて、親指で優しく撫でてやる。

 そっと頷く彼女の瞼、頬、耳に軽く口づける。

「マヤ。君を愛したいんだ。」

 唇を首筋から下へと滑らせ胸の蕾を含み、そのまま平らな腹部から腰へと口づけて、赤い印をひとつひとつ付けながら彼女の肌を味わっていく。
さらに駆り立てるように、指先で女の芯をゆっくりと開かせていく。

「あぁ……あっ」

「大丈夫だよ。」

ゆっくりとうつ伏せにさせて、うなじから肩、背筋を通って腰へと赤い印を付けていき、その後を宥めるようにゆっくりと撫でる。
 
「はぁ……」

身体を仰向けに戻して“怖がらないでくれ”と、彼女の耳元で囁く。
ゆっくりと両膝を立てさせ、少しずつ膝を開かせながら太ももの内側に口づけ、そのまま唇を上へと滑らせながら女の芯へと近付けると、驚いたようにそれから逃れようとする彼女の腰を押さえ込む。
 
「駄目だ。逃げないで。」

「んっ……あっ……」

落ち着かせるように掌で腹部を撫でながら、舌先で女の芯を少しずつ開かせていく。

「あぁっ……」

唇を這わせ舌先で奥を味わうと、彼女が息を呑み込むのがわかった。

「速水さん……お願い……止めて……」

「マヤ……嫌だった?」

  涙で濡れた頬を撫でてやると“ごめんなさい”と、彼女が小さな声で謝る。

「いいんだよ、マヤ。急ぎ過ぎたんだね?俺はただ、君を愛してあげたいだけなんだ。だから、許してくれ。」

 唇を合わせ、宥めながら口の中に舌を入れ、柔らかな粘膜を丁寧に弄る。

「んっ……んっ……」

肩から柔らかな胸、平らな腹部から腰へと掌を這わせて、彼女を駆り立てていく。
男の愛撫を受け桜色に染まっていく柔かな肌と、甘い香りが俺を誘う。
シーツを掴んでいた手を肩に置かせ、力を無くしたその脚を自分の腰に絡めさせる。

「マヤ、俺を見てくれ……」

瞳を見つめながら腰を抱き寄せて、俺を包み込む暖かい温もりの中へ熱い想いを注ぎ込む。

……マヤは俺だけのものだ……俺だけの……






 椅子に座って、浴槽に流れ込むお湯を眺めながら、昂ぶった気持ちを落ち着かせようとしたが、彼女の事が頭から離れない。

……マヤ……

 寝室の中で彼女に強要した事を思い出し、思わず苦笑してしまった。
 付き合い出してすぐの頃に、男としての欲望を告げる口づけに本気で驚き抵抗したマヤ……その彼女に自分の欲望を一方的に押し付けてしまった。
 詫びる代わりに、愛し合った時に付けた印に口づけて癒すつもりが、自ら求めさせるように彼女を駆り立てた自分に呆れてしまう。
 こんな事今まで一度も無かったのに、初めての経験をした男みたいじゃないか!



寝室に戻ると、そこにはベッドの上で何も身に着けずに咽び泣く彼女がいた。
 
 ……可哀相に、俺が泣かせてしまったんだ……

 膝の上に抱き上げ、泣き止むまで背中をゆっくりと撫でてやると、安心したように頭を胸元に預けてくる彼女を優しく抱き締めてやる。

「落ち着いたか?」

 コクリと頷く彼女を抱きかかえ直し浴室へ連れて行くと、月明かりの中に浮ぶタイルの美しさを見て“綺麗”と彼女が囁いた。
 “気に入ったか?”と尋ねながら、お湯の中に身体を沈める。
 後ろから抱き寄せると、彼女が振り向いて頷くのが嬉しくなって、思わず笑みが浮ぶ。

「疲れただろう……無理をさせたからな。」

緊張をほぐすように優しく撫でてやると、彼女が身体を俺に預けてきた。

……今なら緊張を感じずに、マヤは応えてくれるだろうか?……

うなじに唇を押し付け親指で乳輪を撫でると、息が乱れるのがわかる。

「まだ痛むか?」

ゆっくりと広げさせた膝の間に滑り込ませた手を上の方へと滑らせていき、女の芯をゆっくりと指先で撫でながら、もう片方の掌で胸のふくらみを包み込み、蕾を指先で撫でたり摘んだりしながら彼女の様子を確かめる。

……マヤがまだ知らない喜びを、教えてあげたい。……

彼女を浴槽の縁に腰掛けさせて膝を広げさせ、その間に跪いて、手で腰を支えながら、唇と舌先で女の芯が濡れてくるまで味わう。

「はぁ……んっ……あぁ……」

「怖がらず感じるままに任せなさい。」

「あぁ……あっ……あ……んっ……」

さらに駆り立てるように左手で滑らかな背中を支え、胸の蕾を唇に含み、右手の指先で女の芯をゆっくりと撫でながら奥へと進めると、彼女の身体が大きく仰け反る。

「あっ……あぁ……はぁ……あーっ!」



「真澄さん……」

火照った身体を冷ます為に、抱き上げて椅子に座り髪を撫でてやっていると、意識が戻った彼女が俺の名前を呼んだ。

「大丈夫か?」

 コクリと頷く彼女を抱き締めながら、そっと口づける。

「さあ、もう一度温まろう。」

そう誘う俺の身体を見て、彼女の顔が赤くなるのがわかった。

「ああ、すまない……」

 身体の変化に気付かれ一瞬戸惑ったが、顔を赤らめ困惑している様子が可愛くてつい意地悪をしたくなり、耳元で睦言を囁くとますます顔が赤くなっていく様子を見ているうちに、どうしても彼女が欲しくなった。
戸惑う彼女を浴槽の縁に座らせて自分だけ中に入り、求めて止まない想いを告げながら唇を割って舌でその中を味わいつくし、続けて赤く腫れた胸の蕾に舌先を這わせ優しく舐めたり、歯で軽く引っ張ったりしながら、その身体を駆り立てる。

「あぁ……はぁ……ん……」

 目の前で乱れていく彼女の様子を見つめながら、自分も感じている事を教えると、両手を俺の首にまわして、胸元に顔を埋めるその姿が可愛くて仕方がない。

「お願い……真澄さん……お願い……苦しくて怖いの……」

 咽ぶ彼女の腰を左手で引き寄せる。

「大丈夫か?」

 右手の指先で女の芯を確かめ、唇で敏感な耳朶をなぞりながらゆっくりと彼女の中へと入っていく。

「力を抜いてごらん……君を傷つける……」

 右手で膝を掴み広げさせながら、奥へと進む。

「あぁ……あぁぁ……ん……」
「あぁぁ……はぁ……くっ……」

月明かりの中、ふたりの吐息だけがこの空間に響く。
彼女を求めて彷徨っていた右手が、長い髪を乱れさせていく。

「マヤ。マヤ、愛している……マヤ……」
「真澄さん……真澄さん……」

月の光の中で女の花を開かせたその身体に溺れながら、彼女をさらに駆り立てていく。
この手で乱された髪のように、乱れていくその姿……マヤ、君は永遠に俺だけのものだよ、永遠に……




















リカリカ様コメント

それとなく書きます宣言をしておりました「月光浴」真澄バージョンです。
「月光浴」でマヤちゃんが語っていた事を、真澄さん側から語らせましたが、何か中途半端になったなと反省しています。
実は、ある場所にお邪魔するまでは、書くつもりの無かった場面があるのですよ。(笑)
急にテンションが高くなって一気に書き上げた場面なんですけれど、真澄さんに語らせるからこんな展開になっちゃうんだよ〜とか言いながら書いておりました。(笑)
最終チェックの時点で修正しようかとも思ったのですが、紫苑様が責任を取って下さるとの事でしたので、ま、いいっか♪という事でそのままにしたのですが、本当に良かったのでしょうか?
パロを書くには、勢いとBGM選びが大事だな〜とつくづく思った作品ですが、その反動で、真澄さんの暴走が…(滝汗)
社長〜、落ち着け〜、ちょっと待て!とか言いながら、キーボードを打っていたら、こんな出来上がりになり、自分でも驚いています。(笑)



紫苑より

責任ですか?はい、いかようにも管理人にお任せ下されば結構でございます(笑)
リカリカさん、本当に筆が速いですね、驚きました。
“ある場所”…?ああ。大丈夫、暴走して下さいと申しましたのは私ですから。
Die Schatten werden länger …、このBGMですと確かに人は誘惑されるばかり。
東宝版ですとやはり山口さんが圧倒的にいいですね。
ウィーン版は初演CDがやはり私にはベストです。10周年ガラが次かしら。
爆発する真澄さま、私も大好物です。
またまた素敵なお作を頂戴しまして。誠にありがとうございましたm(_ _)m









HN:(無記名OK)


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