紫の刻印〜幻指(ファントムフィンガー)

  written by アルフィンさま





「本当によろしいのですか?」
「ええ、お願いします。」


後悔はない。
火照りを持って鈍い痛みを伝える左肩を上にして、うつ伏せに横たわる。
この痛みは、あの方の口づけ、あの方が唯一つ私に付けてくれた印、
そして、あの方以外、もう誰にも肌をさらさないという誓い・・・。



「君の気持ちに気づいていなかったとは言わない。
 しかし、君の気持ちに応えることはできない。」

「わかっています。すべてを承知した上でのお願いです。
 あなたの心があの子で一杯なのはわかっています。
 私はそれをどうにかしようとは思っていません。
 ただ、私のあふれる想いに免じて一度だけ、これまでの報酬として抱いてください。」


着物を落とした背後にあの方の気配が近づく。
肩に脱いだ着物が優しく掛けられる。
その瞬間、あの方の唇が左肩に触れた。


音もなく閉まるふすまが起こす風であの方が出て行かれたのを感じる。
左肩に残るあの方の唇の感触をそのまま留めたくて、私はある決心をした。



疼く左肩にそっと指を運ぶ。
そこには紫色の薔薇が、あの方の唇の感触と熱い吐息とを封印している。

彫り物・・・・。
抵抗がなかったとは言わない。
けれど、洗っても擦っても落ちない、
確かにそこにあの方がいた証を残すにはこの方法が一番だった。


肩に針が刺さるたびに、あの方の唇の感触が自分に埋め込まれていくのを感じた。
鋭く熱い痛みを感じるたびに、あの方の熱い吐息を思い出していた。


薔薇をなぞる指を首筋に移す。
冷たい指の感触が、あの方の指を思い出させる。


男性にしては優美でしなやかな指
書類をめくる指の動き
コーヒーカップを持ち上げる指の形
煙草を挟み無造作に髪をかき上げる仕草

書類を手渡す際、不意に触れたあの方の指は
なめらかで
繊細で
優美で
淫猥で
その冷たさがかえって自分に熱を感じさせた。


指が首筋を伝って鎖骨をなぞる。

この指はあの方の指。

薬指が下唇をなぞり、舌先から唾液をすくい取る。
ぬめりを帯びた指先が乳房を掠め乳首を捕らえる。

・・ぁっんんっ・・・・

触れる前から固く凝り尖った乳首が指の動きに赤みを帯びていく。

もっと、もっと強くねじり上げて・・・。

あの方の指が私の願いを叶え、親指と人差し指に力を込め擦りあげる。
親指の腹で乳首を擦りながら、残りの指は乳房を包み揉みしだく。
乳頭から侵入した快感は、全身を即効性の毒のように回っていく。

んぁっ、あっ・・・ぁぅ・・・。

左手を乳房に残したまま、右手は草叢を探り当てる。
そこはすでにじっとりと湿気を帯び、指の訪れを渇望していた。

ああ、あの方の指が・・・。

人差し指が小さな実を弄ぶ。
柔らかな皮をめくり、熱くなった小さな粒を小指の爪が軽く擦る。

!はぅ・・・んぁ、あああ・・・

その間に中指と薬指は熱くたぎる泉をすくい、悲鳴を上げる小さな実に潤いを与え、
再び泉の出口へ侵入する。

凄いな、指だけでなく手のひらまでびしょびしょになる。

聞こえるはずのないあの方の声が聞こえる。


いい音だ。君はホントに淫乱だな。
指2本じゃ足りないだろ。
ほら、もっといい声で鳴いてごらん。
足ももっと開いて。


あっ・・あぁ〜ん・・っ・・・うぅぁあ・・・・
お願い、もっと、もっとして。


欲張りだな。
そろそろ天国へ連れて行ってあげよう。


!!・・・あぁああああぁああぁぁ・・・・・・。




沈んでいく。
意識が沈んでいく。

こうして深いところまで沈んでいけば、
目覚めたときには普段の私になれる。


昏倒するように深い眠りに落ちた冴子の目尻に残った涙を、
薄紫に透ける指が優しくぬぐい取った。















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アルフィン様コメント

紫苑さん、お待たせしました。
えっ、待ちすぎて忘れてしまった?
なんにしても納品第1弾「紫の刻印」をお届けします。
結局のところ水城さんの一人エッチネタでした。
真澄さんの指を想像しながら萌えちゃうところ、少し痛々しいかな。
でも、私的には真澄さんにはマヤちゃん以外は抱いて欲しくないので。

あとは「落葉in12月」・・・・『ドレサージュ』でしたよね。
もちろん、12月のお届けでよかったですよね?

『ドレサージュ』はコッテリした物にしますよ〜。

次回予告風に・・・

「真澄が施す数々の調教・・・。
 歓びを知ってぬめりを帯びたマヤの肢体が艶めかしく揺れる。
 妖しく淫靡な性戯を身にまとい、官能の世界を漂うふたり。
 〜ドレサージュ(調教)〜  
 12月某日公開。
 背後に注意を払ってご覧ください。」


               〜 アルフィンより愛を込めて 〜


紫苑より(はあと)

アルフィンさん、まったりとお待ちしておりましたよ。
忘れてなんかいませんよ〜。とても楽しみでした。
期待にたがわぬアルフィンさんの冴え渡るこの筆致。
皆様お楽しみいただけましたでしょうか。
Brandyさんのイラストに寄せていただきましたBBSコメントから
このように麗しい珠編を綴ってくださいましたアルフィンさんのマジックフィンガーに
心からの拍手とお礼を申し上げます。
おさすが。
今、ノリに乗っている新進気鋭ジカキ様・アルフィンさん。
私の耽美主義のツボをこのようにグリグリしてくださって感涙です。ヨヨヨ…(嬉泣)
ええ、私も真澄さんはマヤちゃん以外は感覚がもう受けつけないので書けません。

はい、『ドレサージュ』は、12月一番の弊サイトの目玉、ということで、
とっても楽しみに気長にお待ちしております。
隠しページの準備ももう出来ていますので、存分、心おきなく、
妄想の赴くままご健筆をご披露くださいね!

アルフィンさん、このたびは誠に誠にありがとうございました〜〜♪

2005/11/22


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