幸せの法則

written by 紫苑

(イースター記念作)







朝まだき。
目覚めかかって身じろぎすると、となりで眠っているはずの真澄の片腕が伸びて
マヤはその腕にしっかりと抱き締められた。

…速水さん…?

温もりに包まれる。

うん…もうちょっと寝るね…
暖かい…速水さん…

うとうとと、マヤは再び眠りに落ちた。




寝室の遮光のカーテンが開かれ、さっと朝日が差し込んだ。

「あ、おはよう。」

ベッドにマヤが起き上がると真澄は既に身支度を調え、背広の上着に袖を通していた。

「おはよう。奥さん。寝言を言っていたぞ。」

「え?ほんと?なんて?」

「『亜弓さんになんて敵わない』『あたしなんか』」

真澄はマヤの口真似をしてみせる。

「えぇ?そんな夢、見たかなあ?」

「『速水さんの冷血仕事虫』」

「えっ。どっちがほんとなの?」

「さあな。きみもいつまでも相変わらずということだ。」

言って真澄はマヤの頬をすい、と撫でた。

「やだもう。すぐからかうんだから。」

マヤはダブルベッドから起き出した。

「今の台本の台詞を言っていたよ。せめて俺の夢でも見てくれないのか?」

「そうだったんだ。ちょっと今の役、難しくて。…ごめんなさい。」

「まあ、役者のさが、と言うことだな。」

「やっぱり?」

早春の朝。微笑みを交わしてふたりの一日がまた始まった。




ダイニングでベーコンエッグをつつきながらマヤは真澄相手についつい甘えた。

「なんであたしがこのキャストになったのかなあ…。」

「美人女優さんなんて沢山いるのに。それにあたしじゃ、まだちょっと年齢に無理あるんじゃない?」

「それとも速水さんの差し金なの?」

「俺は関係ない。テレビならともかく舞台じゃないか。舞台なら年齢は問題ないだろう?」

「うーん…。それはそうだけど…。難しいなあ…。」

「北島マヤともあろうものが。きみのキャリアならもう充分演じられる役じゃないか。」

「そう?そう思う?…よく解らなくって。知らない世界なんだもの。」

「難しく考える必要はない。台本を読み込んで役作りできないのか?」

「…役は作れるけど。でも、ほんとに役になれない気がして。」

「きみがどう課題をクリアするか、楽しみにしているよ。」

「そんなぁ。冷たい。」

「できる協力はするさ、奥さん。出社する。」

「あ、はい。」



速水邸正面玄関で社用車に乗り込んだ真澄を見送り、マヤはふと庭園に目をやった。

梅ももう終わりね。
桃の花が綺麗。
あ、もうマグノリアも蕾があんなにたくさん。
いい匂い。沈丁花だわ。
すっかり暖かくなって。いつまでも寒いと思ってたのに。
春なんだなあ。
今年のお花見はどうするのかな、速水さん。
もう春…。
あたし、幸せ…。
恐いくらい。
こんなに幸せでいられるなんて。
母さん、母さんの名前の季節だよ。

よく手入れされた庭園には雪柳、クロッカス、水仙。ゆすら梅は散りかかり、
こぶしが花開きパンジーが色鮮やかだ。

マヤが振り仰いだ空は薄く霞みがかかり、陽光は柔らかく輝いていた。
一陣の微風がそよいで行った。








「そこまで!」

黒沼がパンと手を打った。そして苦々しく口にした。

「北島。おまえ、芝居のための芝居をやってないか?」

「…はい、すみません…。」

「おまえらしくもない。芝居がまだ上っ滑りじゃないか。観客は誤魔化せても俺は騙されないぞ。」

「……」

「所作事は出来ても達者な芝居なだけだ。ちゃんと役を掴んでこい。出直し!」

手厳しい黒沼の指示にマヤは項垂れた。

「…はい。そうします…。」




稽古場からの帰途、出迎えの車中でマヤは大きな溜め息をついた。

(――解らない、解らないわ…)

台詞は既に全てマヤには入っている。動きも立ち位置も諳んじている。
ただ、心だけが北島マヤのままでいた。台本の台詞に生命を吹き込むことは出来ないでいた。





「ほら。おみやげだ。」

リビングのテーブルに真澄が大きな包みを置いた。

「なあに?」
「うわ。なにこれ。」

包みを開けてマヤは頓狂な声をあげた。

ずしりと重い書籍とCD、DVDがぎっしりと並んでいた。音楽はミサ曲大全集に始まり、
遠藤周作『沈黙』『イエスの生涯』『キリストの誕生』『聖書の中の女性たち』『深い河』
小山寛二『細川ガラシャ』永井路子『朱なる十字架』三浦綾子『道ありき』『光あるうちに』
『日本の歴史』『細川家家系図』ルイス・フロイス『日本史』ホイウェルス『細川ガラシャ夫人』
映画『天地創造』『十戒』『ベンハー』『マリア・テレサの時代』時代劇『関ヶ原』などなど。
背表紙を読むだけでマヤは軽い頭痛を覚えた。

「まあ、気休めだろうが。無いよりはましじゃないのか?」

「こんなにあったって…。もうそんなに時間も無いし。」

書籍の一冊を手にとって、所在なげにマヤはぱらぱらとページを繰った。

「黒沼先生なら解るけど役者がこんなに持っててもねえ。」

「なんなら一人でバチカンでも旅行してきてもいいぞ。ローマ法王庁。勉強になるだろう。」

「ひとりでなんて…。速水さんと一緒がいいな…。」

「済まないな、奥さん。こう見えても社長業なものでね。そうそう一週間は急には休めない。」

「そうよね…。『細川ガラシャ夫人』玉子、かあ。難しい役だわ。あたしと全然違うんだもん。」

「ひとつ共通点があるな。」

「なに?」

「生涯、夫に熱愛された妻、ということだ。」

「えっ…と。あの…。」

さらりと言ってのける真澄の言葉にマヤはうっすらと頬を染めた。

「細川忠興は玉子の死後85歳で没するまでついに後添えの一人も娶らなかった。
 その後半生は俺はよく判る気がする。これがいい。おいで、マヤ。」

言って真澄はDVDをプレイヤーにセットするとマヤの肩を抱いてソファに並んで腰を下ろし
リモコンを探った。
液晶テレビ画面が大作ドラマ『関ヶ原』を映し出す。
三田佳子扮するお市の方は落城の炎に包まれ
松坂慶子扮する細川ガラシャは小笠原少斎の長刀に倒れた。
ドラマのクライマックスに我知らず涙を流すマヤの華奢な肩をしっかりと抱いて
真澄はマヤの掌を撫でてやる。
5.1chサラウンドサウンドでリビングに響き渡った終曲のテーマソング。
真澄の胸で感激に泣くマヤの髪を真澄はその長い指で梳いた。
好きなだけマヤを泣かせると真澄は静かに口にした。

「俺は神を信じる人間ではないが少なくともマヤ、
 きみとこうして過ごせる人生には今は感謝している。きみは幸せか?」

真澄の胸で微かにマヤが頷いた。

その夜も確かな愛を営んで、ふたりの夜は更けていった。




その翌週の祭日。彼岸の中日。
真澄はマヤを伴って横浜に赴いた。
北島春の墓参に詣で、山手十番館で昼食を取った。
瀟洒なフランス窓から眺望する外人墓地のマグノリアは満開に花開き陽光に燦々と輝いた。
食後の散策にふたりは手を繋いで山手の小径を歩く。
陽差しは暖かく、そよぐ風は花の香を運び、花々は咲きこぼれ、すがしい春の午後のひととき。
道端には野性の水仙が色鮮やかだ。
フェリス女学院までの道すがら、山手カトリック教会がひっそりとその佇まいを見せた。
開け放たれた重厚な扉に歩み入る。
ひと気の無い聖堂の正面には茨の冠をかしらに掲げた十字架のキリスト像。

(玉子なら…どんな気持ちでこんな聖像を眺めたかしら…)
台本では玉子は初めて訪れた教会で感動に涙した、とある。

「カトリックの暦では今は受難節になるということか。」

「受難節?」

「イースター前の7週間のことだそうだ。欧米ではイースターは国民の祝日だ。」

「イースター…復活祭、だっけ?」

「そうだ。キリスト者にはクリスマスに次いで重要な聖日に当たる。」

「春の行事なのね。」

「ああ。ヨーロッパではイースターを迎えれば春も本番だろうな。」
「今年は無理だがいつか連れて行ってやる、祝祭典の本場に、な。」

「いつか、って、いつ?」

「いつでも。約束は守るさ。」

祭日午後の礼拝堂には聖歌隊の人々が練習に集まって来ていた。

「聴かせて貰おうか。マヤ、こちら側に座るといい。」

教会付属の聖歌隊は20人ほど。発声練習の後、アカペラの合唱が聖堂に響いた。
バッハ、マタイ受難曲から有名なコラールの旋律の荘重な響き。
なぜか居ずまいを正さなければならないような気がマヤにはした。
よく訓練された合唱に聴き入れば鳥肌が立つ。

(求道、信仰、迫害、恩寵……)

黒沼の稽古で聞かされたそれら耳慣れない言葉の解説が俄に鋭くマヤに迫った。

“主の道を備えよと荒野で呼ばわる者の声すなり”

(ああ、何か掴めそうなのに…)

会堂に聖歌隊の合唱は美しく響き、マヤは暫し時を忘れた。感性は研ぎ澄まされた。

「あまり長居しても邪魔になるな。行こうか。」

真澄に促されて立ち上がったマヤの胸にふと、熱い奔流が流れた。
衝き動かされるようにマヤは十字架を見あげた。
キリスト像はこの時酷く痛々しくマヤには見えた。
その瞬間、マヤの耳に言葉が響いた。

――命を大切にしなきゃいけないよ――

明瞭な声がくっきりとマヤの脳に書き込まれる。

(今のは…母さん?母さん!)

なんの根拠も無かったがその声は北島春の声、とマヤは直感していた。
茫然とマヤは立ち尽くし、知らずに涙が溢れていた。

「どうした?」

「今、母さんが…。声がして…。」

真澄は黙ってマヤの細い肩を静かに抱いてやった。





浅い春は急ぎ足にその歩みを早め、染井吉野の蕾も濃い色に染まった。
明日には気の早い蕾はほころび始めるだろうか。
夜更け。
真澄の傍らで熟睡していたはずのマヤの耳に、突如何かが破裂したような大音響が響いた。

(な、なに?なんの音?)

身動きしようとしたが身体は全く動かなかった。

(いやっ、なにこれ?金縛り?声が…声が出ない…手が…動かない…)

恐怖に駆られて必死にマヤはあがいた。

(助けて、速水さん、助けて…!)

気づくと、宙に浮いたマヤの眼下にはダブルベッドが映り、
真澄がちょうどマヤの側に寝返りを打った姿が見えた。
自分は眠ったままの姿をしていた。そこでマヤの意識は途切れた。








「あのおかたこそ本物の我らの救い主じゃ。足なえは立ち上がり、どんな病も癒される。」
「ありがたき幸せよ。救い主にホザンナ!」
「見よ、世の罪を取りのぞく神の子羊。我らの救い主。」
その話が本当ならば、私のこの長年の病をも治してくださるのだろうか。
ならば、ひと目、ひと目、お目にかかりたい。それだけでもいい。
(ここはどこ?ああ、そう。あたしは長いこと女の病を患っていた女だわ)
あの群衆がそうだろうか?あの群れの中に救い主がおわすのか。
急がなければ。早く行って、あのかたにお目にかからなければ。
ああ、こんな人混みではあのおかたに近づくこともできない。
私にはわかる、あのかたの回りに真理の光が見える。
あのおかたこそ、真の救い主、神のひとり子。預言された救いを世にもたらすおかた。
私の貧しさではあのおかたに捧げ奉るお供えのなんの一つもない。けれど。
ああ、行ってしまわれる。早く追いつかなければ。
人々よ、どうか通して。私を行かせて、まことの主、救いのきみよ。
せめてお衣に触るだけでも。
人混みをかきわけて、腕だけを伸ばして私はなんとかそのかたのみ衣に触れた。
突然そのかたが私を振り向いた。
『娘よ、しっかりしなさい。あなたの信仰があなたを救ったのだ。』
ああ。たちどころに私の病は消え失せた。あれほど長いこと苦しんだのに。
このおかたこそ真に日のみ光、命の泉。おお、我が主よ。
なんと深く、清らかな、なんと慕わしいおかたがこの世におわしますとは。

「シモン・ペテロ、我が同胞よ。我ら使徒は今こそ結集せねばならぬ。」
「主は我が罪を負われて十字架にかかられた。主のおおせの通り、
 私は夜が明ける前に3度、主を裏切ってしまった。げに罪深きは我ぞ。」
「見よ、おお。ほれ、主が。そこに。」
「なんと。死して3日にして主は甦られた。」
『使徒よ、福音をのべ伝えよ。』
「ホザナ!主がご復活された!」

私は使徒パウロ。主によって盲目の目が開かれ宣教の長い旅をした。
今はローマに捕らえられこの牢からは抜け出せぬ。
だがコリントびとよ、ガラテヤびとよ、私はそなたらにこの書を送ろう。
決して迫害に屈してはならぬ。主こそ神であることを知れ。悔い改めよ。時は来た。








(ああ、呼ばれている…あたし…。ここはどこ?あれは私の身体?)

ベッドで自分を揺り動かしている真澄の姿が見えた。

「マヤ!マヤ!どうした!?しっかりしろ!」

(あたし…どうしていたの?)

「マヤっ!」

「あ…あ。はやみ、さん…」

「目が覚めたか。どうした、こんな夜中に。ひどい魘されかただったぞ。」

「なんだか…夢を…でも夢じゃなかったのかも…でも…」

「酷い汗だな。ちょっと待っていろ。」

身軽に真澄は起き上がるとシャワールームに消えた。

(さっき見ていたあれは…なんだったの…?あれって確か聖書の中の光景…?)
(あたし、確かに病気を治して貰ったんだ…すぐわかったもの…)
(じゃあ、あれがイエス・キリスト?あたしほんとに、会っちゃったの…?)
(現実?それとも幻?なんて生々しい…)

「タオルと着替えだ。ほら。」

「うん。ありがと。」

いまだマヤは茫然としている。真澄が手を貸して絞ったタオルでマヤの額を拭ってやり
手早く夜着を着替えさせた。
時刻は午前3時ちょうど。

「もう一度眠れるか?寝かしつけてやってもいいぞ、奥さん?」

軽い揶揄を含んで真澄がマヤの瞳を覗き込んだ。

「大丈夫。眠れる。なんだか身体が重いの。疲れちゃった…」

その言葉の終わらないうちにマヤは瞼を閉じ、ことり、と眠りこんだ。
マヤの異常を真澄は気遣ったが、静かに寝息を立て始めたマヤの瞼に軽く接吻して
真澄もまた朝までの短い眠りに落ちた。




舞台初日を三日後に控えた稽古場。
マヤの迫真の演技にキャストらは瞠目していた。
“故あって名前も申し上げられませぬ非礼をまずお許しくださりませ。
 わたくし三年前よりキリシタンの教会に参上したく、ひたすら願ってきた者でござります。
 今ようやく念願叶って夫の留守を幸いここに駆けつけることができました。
 二度と伺えるかどうかわかりませぬ。一生に一度のことかも知れませぬゆえ、
 時を惜しんでのお尋ね、失礼かとは存じますがどうぞお許しくださりませ。”
“あの十字架のかかるべきは実は私ども罪深き人間であると申さるること、
 それはまことでござりましょうか”
“死後、人はいずこに居りますのか”
“おのが主人を殺した臣下の魂を、神はいかに罰せられましょうか”
“神を信じることなく死んだ魂は、いかが相成りましょうか”
“死者に代わって生きているわたくしどもが何か償うことができましょうか”
“親の罪は子に報いが参りましょうか”
“キリシタンは啓示の宗教と伺っておりますが何をご啓示なされましたか”
“おん慈しみの神がなぜ人々に苦しみをお与えなさるのです”
“なぜ神に背くような人間を神はおつくりなさったのです”
細川忠興役が玉子・ガラシャ役のマヤをかき抱く。
“お、お玉…そなたを…そなたを殺しとうない…”
“殿、デウスを信ずる者には肉体の死はありましても霊魂の死はありませぬ。”
“殿、玉は充分に幸せでございます。”

「よしっ!そこまで!」
黒沼の掛け声でマヤは我に帰った。
「初日が出たな、北島。やっとおまえさんらしくなった。」

「はい。なんだか出来るような気がしたんです。急に、ですけど。」

マヤの内部に昨夜の夢とも現実ともつかぬ体験が生き生きと息づいていた。
細川忠興夫人玉子、洗礼名ガラシャ。意味は『神の恩寵』である。
この役を掴めたのは、何かの導きによるものではなかっただろうか。
そう実感した時、マヤの内部にマヤの玉子が誕生した。


人の叡智を越えたところ、人智の及ばぬ高みに、人の営為の全ての法則は
采配されるのではないか。
玉子としての問いを発しながら、マヤにはその問答の全ては今では感受できるように思えた。
逆臣の汚名の内に死んでいった父・明智光秀の娘としての苦悩。
太閤秀吉の禁教令のさなかでの受洗。
死をもってして石田三成の人質を拒んだ玉子の壮烈な死。
時に玉子三十八歳、慶長五年七月十七日の夜をマヤは舞台に鮮やかに描き出した。




「よくやったな。いい芝居だった。」

初日終演後のパーティで真澄はマヤを労い、パーティをエスコートした。
この公演の中日にはちょうど今年のイースターを迎える。

「芝居だとは判っているんだが。マヤ、俺ならきみを俺より先に死なせるなぞ許さないからな。」

「きみは生涯、俺と一緒に生きていくんだ。きみの幸せは俺が必ず守る。」

それがふたりの幸せの法則。
少し含羞んで小さくマヤは頷いた。

「今年の桜はもう満開だ。きみは公演中だし。千秋楽が終わったら青葉城の桜にでも遠征するか?」

「青葉城?」

マヤの瞳が輝いた。

「ご褒美?」

「ああ。その通りだ。」

「嬉しい。楽しみにしてるね。」




うららかな陽春が行く。
春。
物みな目覚め、新たな生命の息吹と数々の別れと出会いの季節。
全世界の教会では復活祭を祝う。


たとえ我死の影の谷を歩むとも 禍を恐れじ 主我とともにいませばなり

この身は衰え 世を去る時 喜び溢るる み国に 生きん

苦しみ 悩みも 奇しき恵み 迷いし身も今 立ち返りぬ

世の悩みも 死も いかで恐るべき 光のもとなる 日を造りましし み神を頌えよ ハレルヤ


 我らは信じかつ告白す。
旧新訳聖書は神の霊感によりて成り、キリストを証し、福音の真理を示し
教会の拠るべき唯一の正典なり。されば聖書は聖霊によりて、神につき救いにつきて、
全き知識を我らに与うる神の言にして、信仰と生活との誤りなき規範なり。
 主イエス・キリストによりて啓示せられ、聖書において証せらるる唯一の神は、
父・子・聖霊なる、三位一体の神にていましたまう。
御子は我ら罪人の救いのために人と成り、十字架にかかり、ひとたび己を全き犠牲として
神にささげ、我らの贖いとなりたまえり。
 神は恵みをもて我らを選び、ただキリストを信ずる信仰により、
我らの罪を赦して義としたもう。
この変わらざる恵みのうちに、聖霊は我らを潔めて義の実を結ばしめ、
その御業を成就したもう。
 教会は主キリストの体にして、恵みにより召されたる者の集いなり。
教会は公の礼拝を守り、福音を正しく宣べ伝え、
パプテスマと主の晩餐との聖礼典を執り行い、愛のわざに励みつつ、
主の再び来たりたまうを待ち望む。
 我らはかく信じ、代々の聖徒と共に、使徒信条を告白す。
 我は天地の造り主、全能の父なる神を信ず。
我はその独り子、我らの主、イエス・キリストを信ず。
主は聖霊によりてやどり、おとめマリヤより生まれ、
ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、十字架につけられ、死にて葬られ陰府にくだり、
三日目に死人のうちよりよみがえり、天に昇り、全能の父なる神の右に座したまえり、
かしこより来たりて、生ける者と死ねる者とを審きたまわん。
我は聖霊を信ず、聖なる公同の教会、聖徒の交わり、罪の赦し、身体のよみがえり、
永遠の生命を信ず。
アーメン。











終わり










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