358000番ゲット・天使の羽根様リクエスト:“手取り足取り教える真澄様”シリーズ第5弾〜百人一首編〜
 細かい設定はお任せしますが、マヤちゃんと真澄さまには是非とも和服で登場していただきたいです。
 マヤちゃんは、いつも通り一生懸命「百人一首」を覚えて下さい。
 真澄様は、モンモンでもムラムラでも爆発しても、もうこれまでがこれまでだから何をしてもOKです(笑)。


※これまでがこれまでだから…(^_^;)そそ、そうですね、ハイ、了解致しました。





晴れて互いを妻と呼び夫と呼ぶ夫婦となったマヤと真澄。
結婚して初めてふたりで迎える正月である。
元日には、英介の発案で、一家で百人一首のかるた取りをして遊ぼうという段になった。




「百人一首!?」

マヤは思いきり真澄を振り返った。

「あたし、高校の古典で習ったきりだわ。本格的なかるた取りなんて、やったことないし…できるかなあ…。」

元日までには、まだ半月ほどある。忙しい年末のスケジュールを縫って、真澄はマヤに百人一首を覚え込ませることにした。

「古典の授業は好きだったけど、百人一首なんて、もう殆ど忘れちゃったわ。」

上目遣いで困惑気味に真澄を見あげるマヤを真澄は軽くいなした。

「まずは百首、暗記することだな。」

「百も?全部?暗記?」

「そうだ。そして読み手が上の句を読む。取り手は、読まれた上の句に従って、下の句の札を取っていく。それが競技かるただ。」

「百人一首には、『決まり字』という特定の札がある。それから覚えてしまうといい。」

「百枚の札の中から一枚を特定する条件となる上の句の音を、『決まり字』という。
 1音で取れる札もあれば、6音聴かないと取れない札もある。」

「第1音が“むすめふさほせ”で始まる分だ。これは必須だな。」

真澄は百人一首の教則本を片手に、マヤにこと細かに解説した。

「“む”らさめの露もまだ干ぬまきの葉に 霧立ち上る秋の夕暮れ。寂連法師。」

「“む”の音が読まれたら、条件反射で、“きりたちのぼる あきのゆふぐれ”の札を取る。」

「“す”みの江の岸に寄る波 夜さへや 夢の通ひ道 人目避くらむ。藤原敏行朝臣。」

「同様に、“す”の音が読まれたら、“ゆめのかよひぢ ひとめよくらむ”の札を取る。」

「“め”ぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな。紫式部。」

「“ふ”くからに 秋の草木のしおるれば むべ山風を 嵐といふらむ。文屋康秀。」

「“さ”びしさに 宿を立ちいでて 眺むれば いづこも同じ 秋の夕暮れ。良暹法師。」

「“ほ”ととぎす 鳴きつるかたを 眺むれば ただ有明の月ぞ 残れる。後徳大寺左大臣。」

「“せ”をはやみ 岩にせかるる 滝川の 割れても末に 逢はむとぞ思ふ。崇徳院。」

「この7句は、第1音が勝負だ。」

真澄はリビングのラグに、かるたを並べ、マヤにかるたの取り方を教えた。

「競技かるたで使用する取り札は、100枚の内の50枚だ。」

「競技する2人は、まず向かい合って座って礼をし、100枚の札を伏せてよく混ぜる」。

「そして、お互いに25枚ずつをとり、自分の持ち札とする。」

「残りの50枚は箱にしまって脇に置いておき、競技には使用しない。しかし、詠み手は100枚の札を詠むので、使わない50枚は空札となるわけだ。」

「かるたの並べ方だが、競技者はそれぞれ、25枚の持ち札を自分の前に並べる。」

「横87cm以内、縦に3段以内という範囲に、整然と並べる。」

「その際、選手はそれぞれの持ち札を自分の方に向けて並べる。敵陣の札は逆さまになるわけだ。」

「並べた札の6段の内、下の3段が自分の持ち札、上の3段が相手の持ち札とする。」

「自分の持ち札の並べてある方を『自陣』、相手の方を『敵陣』と呼び、3段の札は、上から『上段』『中段』『下段』と呼ぶ。」

「各段の間隔は1cm、自陣と敵陣の上段の札同士の間隔は3cmと決められている。」

「両競技者共に、自分の札を右と左に分けて配置していく。」

「ルール上はそのような決まりはないので、中央に札を置いても構わないが、殆どの選手は、左右に札を分けて配置するな。」

「自分が取りやすく、相手が取りにくい、という形を目指すと、このような並べ方がもっとも合理的なのだろう。」

「競技かるたの選手は皆、自陣の札の配置を予め決めている。これを『定位置』と言う。」

「この定位置も、自分にとって取りやすく、かつ相手にとって取りにくいというものを目指す。」

「自陣の札でも、位置によって取り易さが全然違う。一般に、右利きの場合右の下段が一番早く取れると言われているが、
 それ以外の場所に関しては選手によって得意な場所もまちまちだ。」

「定位置はそうしたことも考慮し、選手それぞれが決めるので、一人一人の定位置は皆異なっているな。」

「選手はお互いに3段に並べた札の手前に、正座している。」

「そして、詠み手が下の句を読み始めると、腰を上げて『構え』の体勢に入る。」

「この『構え』は人によって様々だが、基本的に右利きの人の場合、右手を軽く握って自陣の下段の外側の、真ん中辺に置き、
 左手を左端に置いて体を支え、足は少し開いて、右の膝を少し後ろに下げる、といった姿勢を取る。」

「次に『取り』だが、札が詠まれたら詠まれた札、これを出札と呼ぶ、出札に直接触るか、出札を競技線の外の外側に出せば取りとなる。」

「この競技線から出札を出す、ということはどういうことかと言うと、他の札を払って出札を押し出す、ということだ。」

「これは意外に思うかもしれないが、競技かるたでは、出札と同一の陣内の札には触ってもお手つきにならない。」

「札を取る際、どのような形で札に触るか、あるいは押し出すか、ということは特に決まりはない。」

「ぴた、っと押さえてもいいし、豪快に払い飛ばしてもいい。」

「しかし、勝負に勝つためには、一番早く札を取れるような取り方をする必要がある。」

「それが『払い手』だ。」

「構えの体勢から、出札の位置に右手を素早く伸ばし、出札の位置で止まることなく、そのまま腕を振り抜く。」

「振り抜くと、そのままでは体制が崩れて倒れてしまうので、体の脇まで腕が戻ってきたところで畳をたたいてバランスを取る。」

「ほとんどの選手は、ほとんどの札を、この『払い手』で取る。」

真澄は、『払い手』を実際にマヤに示して見せた。

「勝敗だが、お互いが25枚の札を自陣に並べて始めたこの競技の勝敗は、自陣の札を先になくした方が勝ちとなる。」

「競技の中で、選手はもちろん、自陣の札でも敵陣の札でも取ることができる。」

「自陣の札を取れば、自陣が一枚減るわけだから、勝利へ近づくことになる。」

「一方、敵陣の札を取った場合、自陣から好きな札を一枚敵陣へ『送る』ことにより、自陣の札を減らしていく。」

「こうしてお互いに札を減らしながら、最後に自陣の札をすべてなくした者の勝ちとなる。」

「以上が競技のだいたいの流れだ。判ったか?」

真澄の説明は丁寧だが、いかんせんマヤには全く馴染みのない世界。

「うーん、難しいわ…。」

「難しく考えることはないさ。要は集中力と反射神経だ。マヤが舞台で普段使っている神経じゃないか。」

真澄の指示でマヤは決まり字順に、
う・つ・し・も・ゆ・い・ち・ひ・き・は・や・よ・か・み・こ・た・わ・お・な・あ、の句を単語カードに順に書き取り、
まずは決まり字の句から覚えることにした。

百人一首は『小倉山荘色紙和歌』とも呼ばれる。晩年の藤原定家が、別荘であった小倉山荘の近辺にやはり別荘を持っていた息子、
為家の妻の父、宇都宮頼綱から襖に貼る色紙を依頼された。
そのために『百人秀歌』を選んだが、それが百人一首の基となったのではないかと称されている。
現在の百人一首を形にしたのが定家本人であるかは断定は出来ない。
藤原定家がこうした歌の集合体を選んだ時の並び順や秘めた狙いについては、現代でも様々な議論が存在している。

マヤは一首、詠み上げてみた。

「“玉の緒よ 絶えなば絶えね 長らえば 忍ぶることの 弱りもぞする”」

「式子内親王か。訳は?」

「えっと。…“命よ、無くなってしまうのなら無くなってしまえ。生き長らえたとしても、堪え忍ぶ力が弱くなってしまうから”。
 凄いね、こんな激しい恋をしたのね。」

「ああ。絶唱だな。古典の名歌中の名歌だ。」

「小倉百人一首は、古典の名歌、秀作ばかりを集めたものだ。百首、どれをとっても、名歌の名に恥じない。」

「“あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな”」

「和泉式部だな。」

「うん。これも凄いわね。死んでしまう、なんて。」

「平安時代は一夫多妻の世の中だ。それも通い婚という風習。女人は、それは大変な恋をしたことだろうな。だから、恋の名歌が多い。」

「あたしだったら、そんなの、耐えられない…。速水さんを誰か他の人と共有するなんて。とてもじゃないけど、考えられない…。」

「マヤ、俺は、きみだけのものだ。マヤも、俺だけのものだろう?」

「え?ええ。速水さん…。」

真澄はマヤの肩を抱いた。そして、軽くマヤに接吻した。






その週の日曜日、真澄は『小倉百人一首早覚えカード』という商品を買って、マヤに渡した。
カードの表には下の句が書かれ、裏面には丁寧な解説が書かれてある。

「マヤ、そのカードで練習してごらん。」

「俺が読み手をするから、かるたを取るんだ。いいか。」

マヤは自陣、敵陣にカードを並べて用意した。

「“花さそふ 嵐の庭の 雪ならで”」

マヤは必死で下の句の札を探した。

「あった!」

マヤはパンと札を叩いた。

「“ふりゆくものは わが身なりけり”」

「マヤ、払い手を練習してごらん。」

競技かるたでは、出札を取り終えた後、下の句が読み上げられる。そして、約1秒おいて、次の句が読み上げられる。

真澄は次の句を詠んだ。

「“思ひわび さても命は あるものを”」

マヤは下の句の出札を探す。

「はいっ!」

マヤは教えられた通り、払い手を使った。

「“憂きに堪へぬは 涙なりけり”」

「よし。次、行くぞ。」

「“長からむ 心も知らず 黒髪の”」

「はいっ!」

「“乱れてけさは ものをこそ思へ”」

しばらく練習すると、マヤは払い手のコツを覚えてきた。

「よし。あとは、きちんと百首、暗記してしまうことだな。芝居の台本を覚える集中力があれば、マヤには難しいことじゃないだろう?」

「百首かあ…遠い道のりだわ…。」

「俺も大分記憶があやしくなってきた。マヤと一緒に練習しないとな。」

忙しい師走の合間を縫って、ふたりは夜更けまで興じながら、百人一首の暗記に務めた。
小倉百人一首。確かに名歌揃いであり、一首一首の味わいをもふたりは楽しんだ。
真澄に教えられるのならば、マヤには楽しく和歌をも暗記することも出来そうな気がしていた。
いにしえびとの選りすぐりの名歌を、マヤは教則本片手に、ひとつひとつ丁寧に覚え込んでいった。





そして、迎えた元日。
マヤは英介に贈られた紅梅色の色小紋に西陣織の帯を締め、真澄は袴姿でダイニングに降りた。

「明けましておめでとうございます、お義父さん。」

「明けましておめでとうございます。お義父さま。」

「新年おめでとう。今年もふたり、仲良く過ごせよ。」

3人はダイニングで元日のお節料理の膳を囲んだ。
屠蘇の酔いも程良く回って、3人は英介の私室の隣の和室に足を運んだ。
いよいよ、百人一首かるた遊びの始まりである。

雪乃がマヤと真澄の着物の袖が邪魔にならないように、袖を襷で結んだ。雪乃も英介、朝倉ともども襷がけをする。
まずは真澄対英介。読み手は朝倉。
マヤはドキドキと胸を高鳴らせ、緊張していた。
どうやら百首の暗記はできた。あとは、試合のコツさえ掴めば、なんとかマヤにも参加出来そうだった。

真澄と英介はいい勝負で、巧みに出札を払って行く。
あと、一歩のところで、勝負は英介の勝ちに終わった。

次に、雪乃対マヤ。読み手は同じく朝倉。
マヤは着物を着崩さないように気をつけながら、構えの姿勢をとった。

「“秋の田の…”」

「はいっ!」

マヤが素早く自陣の出札を払った。

「おお、マヤさん、やるじゃないか。」

英介が相好を崩した。

「“我が衣手は 露に濡れつつ”」

「“わびぬれば 今はたおなじ 難波なる”」

「はっ!」

雪乃が出札を払った。

「“みをつくしても 逢はむとぞ思ふ”」

マヤにしては大健闘し、雪乃と対等に勝負を続けていった。
やがて、マヤの自陣が空になる。

「やったわ!」

「マヤさん、おみごとでした。」

雪乃がマヤに握手を求めた。

次に真澄が読み手となり、英介対朝倉で試合が進んだ。
ふたりとも見事な手さばきで、出札を払って行く。
勝負は英介の勝利に終わった。

それぞれ、組み合わせを変えて、かるた遊びは楽しく進んだ。
マヤも初めてにしてはよく健闘し、英介相手にもあと一歩のところまで追いすがった。

「マヤさん、よく頑張ったな。真澄、おまえも教え甲斐があったろう。」

「ええ、お義父さん。」

午前中一杯、かるた遊びに興じると、英介の合図で、百人一首遊びは散会となった。






真澄とマヤはダイニングに降り、昼食をとって、夫婦のリビングに上がった。

「ああ、どうなることかと思ったけど、なんとかなった…。ああ、疲れたぁ。」

「マヤ、よくやった。予想以上だ。」

「家でマヤの着物姿もいいものだな。」

真澄はハンカチでマヤの口紅をぬぐい去ると、マヤに深々と口づけた。

「ん…」

マヤが真澄の熱心なくちづけに、甘い呻きを漏らした。
口づけたまま真澄はマヤの着物の裾を押し広げ、マヤの素肌に愛撫の手を伸ばした。
大腿の肌は肌理が詰んで、若々しい張りがあり、滑らかに真澄の指先を押し返す。
マヤが下着をつけていないのに気づいて、真澄は溜飲が下がる思いだ。

「速水さ、…」

口づけながら真澄は愛撫の指を、尻の双丘からマヤの躰の中心に進めた。
巧みに指先を蠢かす真澄の口づけを逃れて、マヤは真澄にしがみついた。

「ダメよ、速水さん…」

「いいじゃないか。姫始めだ。」

有無を言わさぬ真澄に求められ、感じさせられ、マヤの躰はしごく敏感になっていく。
真澄は片腕でしっかりとマヤを抱き締め、片手でマヤの秘所に執拗に愛撫を繰り返した。
マヤの躰はじきに反応し、真澄の指先をたっぷりとマヤの泉が濡らした。
真澄はこの時とばかりにマヤを抱き上げると、寝室に運んだ。そして、後ろ向きに床に跪かせ、上体をベッドに投げ出させた。
真澄はマヤの着物を尻の双丘が丸裸になるまで、広げて捲り上げた。
俗に言う『孔雀』という体位。
真澄は跪いて袴の紐を外すと、十分欲情した猛々しい己の高ぶりを引き出し、後ろからマヤの躰の入り口に、高ぶりを宛った。
真澄は一息に、マヤを差し貫いた。
性急に、せわしなく、真澄は腰を突き上げながら、マヤの着物を脱がせていく。
帯留めを外し、帯の結びを解き、帯を剥ぎ取る。着物の紐も器用に解くと、真澄はすっかりマヤの着物を脱がしてしまった。
マヤの素肌に、触れたい。
真澄は気が急いて、肌襦袢の幾重もの紐も、些か手荒に解いていく。
そして、すっかりマヤの着物を脱ぎ散らかすと、自分も袴の上衣を脱ぎ捨て、袴を脱いだ。
ようよう全裸にされたマヤの乳房を、真澄は後ろから両手で揉みしだいた。
真澄の熱情に翻弄され、マヤは否やもなく、行為に没頭させられていった。
マヤの内部で、真澄が熱く、巨きい。
真澄はマヤの耳朶を甘噛みし、吐息を吹きかけ、頬に、髪を結い上げた首筋に、くちびるを這わす。
真澄が腰を突き上げるたび、マヤの簪が勢いよく揺れ、チリチリと幽かな音を立てた。

「あ…あ…はや、みさん…」

息を弾ませて、マヤの意識は真澄の情熱に、遥かに遠く、押し流されていく。
激情が、真澄の裡に逆巻いて渦巻く。
呼吸を荒げて、真澄はマヤを組み敷いた。
真澄の激しい行為に、マヤは夢中にさせられる。
しだいにマヤの官能も高まり、真澄に、より強い快楽をもたらした。
真澄はマヤの片脚を持ち上げると、互いの脚を交差させた。
より深い、結合。
マヤが熱い呻きをあげる。
火のような欲情のおもむくまま、真澄は存分にマヤを抱いた。
ふたりともに、絶頂の時が近づいた。
ふたり、同時に頂点に達した。
ぐったりとベッドに身を投げ出したマヤに、真澄は名残の接吻を贈った。







新年。今年もふたりには、忙しい一年になるだろう。

新しい年も、共に幸多かれと、ふたりは祈った。
















終わり










2002/12/14

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