315000番ゲット・カスミ様リクエスト:とーとーキリ番踏めました!!
 こんな幸運は二度とないと思うのでとっても嬉しくてメール打ちながらついニヤニヤしてしまってます。
 さてリクエストですが、と〜っても甘甘で幸せな真澄様とマヤちゃんが見たいです。
 あと英介爺さんが絡んでくるのもいいな〜と思ってます。
 設定などはユーリ様にお任せします。
 よろしくお願いします。

※カスミさま初めまして。リクエストありがとうございます。





速水さん。
あなたが好き。
誰よりも好き。
あなただけが好き。
あたし、紫のバラの人だから速水さんが好きになったんじゃないわ。
たぶん、もうずっと前からひかれてた…
でも、あたし、わからなかった。
速水さん、いつも冷たくて。
仕事以外はどんなことでも冷酷になれる人だと思ってた…
あたしの母さんを犠牲にすることも平気だった…
ずっと許せなかった。
だから…
ときたま感じるあなたの優しさも無視してた。
意地張って憎もうとしてた…。
でも、心の奥底ではきっと気づいてた。
速水さんの誠実さや優しさ…
ただ、認めたくなかったの…。
速水さんが紫のバラの人だってわかった時…
初めて意地がとれて、速水さんの素顔が見えたの。
誰よりも暖かくて
優しくて
忍耐強くて
広くて
大きい人…。
頑固で、寂しがりやの少年…。
ロマンチストで現実主義者。
意地悪で親切で
おっかなくって
傷つきやすくて
不器用で
意地っ張り。
でも、誰よりも深くて大きな“愛”をもってる…。
海みたいに、なにもかも飲みこんで活かしてくれる…。
あたし、速水さんが好き…!
涙が出るくらい速水さんが好き…。
自分でも、自分の気持ちにびっくりしてる…。
胸の底から思いもかけない熱い気持ちがつぎつぎと溢れてきて
自分がどんどん変わっていく…。
今まで感じたことのなかった優しさ、暖かさ、幸福感…
それから悲しみ…。
今まで知らなかった思いやりや力が自分の中から生まれてくる…

人を好きになるって、きっと、自分の中の神様を発見することなのね…。


ごめんね、母さん。
あたし、速水さんが好き…。
心の底から。誰よりも。
ごめんね、母さんの仇なのに…。
憎みながら心のどこかではきっと惹かれていたの。
だから、速水さんが紫のバラの人だってわかったとき…
今までわざとあたしに辛く当たっていたのは全てあたしのためを思ってのことだってわかったとき…
やっと気づいたの。
速水さんのほんとうの優しさ、真心に…
母さん、あたし、速水さんを、速水さんだけを、愛してる…。


愛したひとは あなただけ
わかっているのに
心の糸が結べない
ふたりは 恋人
逢いたくて 逢いたくて
くちづけをしてほしかったの だけど
はずかしくて
笑っていた あたし




マヤ…!
おまえを愛している。
誰よりも愛している。
おまえだけを愛している。
マヤ、おまえと居ると、魂と魂が触れ合うような思いがする。
「嘘」が要らないと思える。
俺が本当に魂を分かち合うことができるのは、マヤ、おまえだけだ。
マヤ、おまえに出逢ってから、俺は自分の生き方に疑問を抱くようになった…。
マヤ、おまえは、芝居が出来るのが楽しくてしかたがないようだった。
いくら好きなこととはいえ、何故あれほどまでに打ち込めるのか…?
40度の熱を押してまで舞台で演じ続けることができるのか。
ほんの小さな少女が…!
他の役者がすべて出演できなくなった舞台になぜひとりで立てるのか。
なぜひとりで演じようとするのか。
舞台の上のおまえは、マヤ、光り輝いて眩しいほどだった。
観る者を惹きつけずにはおかなかった…!
俺は今までこれほどまでに生きることに情熱をかけたことがあったろうか。
自分の人生を生きたことがあったろうか。
速水英介の息子となったあの日から…。
マヤ、おまえの笑顔
マヤ、おまえの あの目のまたたき
思わず流れてきた視線
ほんの僅かな微笑み
表情
しぐさの数々
そんなものに心を奪われるようになった
幕が下りたあとも胸の中には熱い想いだけが残った…
商品だとばかり思っていた女優に…
どうしてよいかわからぬまま感動を伝えたくて紫のバラを贈った
こんな思いは生まれて初めてだった
この自分が誰かのファンになるなどと…
子どもの頃義父に見捨てられたあの時から
誰も愛したことはなかった
誰に心惹かれることもなかった
それが…
芸能社の社長が特定の誰かのファンになるなど立場上公にできることではない
また商品であるべきはずの女優に特別の感情を抱くなど許されるものではない…
まして相手は11歳も年下の少女だ…
俺に出来ることは影のファンとして成長を見守り続けるだけだった…
マヤ、ずっと長いこと、おまえだけを愛してきた…。
マヤ、おまえこそ、俺のただひとりの女…。




「速水さん?どうしたの?」
しばし物想いに耽っていた真澄に、マヤが声をかけた。
「あ、ああ。何でもない。」
マヤはテレビの前でドラマを観ていた。
「マヤ、こっちへおいで。」
真澄は夫婦のリビングのソファにマヤを呼んだ。
新婚旅行から帰って3日目。さすがの真澄も、今週は早く帰宅していた。マヤもしばらくスケジュールは空けてある。
真澄は傍らにマヤを座らせると、マヤの肩を抱き手を握った。
そして片手でマヤの長い髪をかきやり、首筋に、うなじに、くちびるを這わせる。
「あん、擽ったい…」
マヤが甘い声をあげる。
マヤは真澄に身を凭せかけた。
ゆったりとした時間が、静かに流れていく。
到底叶わぬ夢だと思っていた、マヤとの結婚。
紫織と婚約解消し、紫織が元華族・公家の御曹司との婚約を明らかにした時点で、真澄はそれまで伏せていたマヤとの交際を公にする決心をした。
それから半年。マヤは花嫁となり、真澄に嫁いだ。
結婚式、新婚旅行。慌ただしく日が過ぎていった。
ここにきて、ようやっと、マヤとゆっくり過ごす時間が持てた。
腕の中のマヤの小さな、華奢な身体。
真澄はその確かさをあらためて確かめるように、マヤの肩を抱き締める腕に力を込めた。
互いの温もりが、ゆうるりと伝わってくる。
真澄はマヤの柔らかい頬に、そっと口づけた。
マヤが、ほおっと、熱い溜め息をつく。
空気はふたりの間に甘く流れ、吐息もまた甘く香るようだ。
「速水さん…あたし、幸せよ…」
「マヤ…俺もだ…。」
見つめ合い、交わす眼差し。真澄の優しい瞳がマヤの丸い大きな瞳に映る。
真澄の静かな微笑み。
満ち足りた、優しい微笑み。
マヤは見惚れた。その微笑みに。
マヤは甘えて、真澄に身を寄せた。
真澄はマヤの手の平を、ゆっくり愛撫した。
やっと心静かになれる、ふたりだけの時間。
時間はふたりの上でゆるやかに流れを止め、ふたりを祝福する。
「そろそろ寝るか。マヤ、風呂に入っておいで。」
「うん。そうする。」
マヤはリビングを出ていった。
真澄は飲み物を運ばせ、寝室付きのシャワーを浴びた。
やがてマヤが風呂から上がってくる。真澄の運ばせた冷たい飲み物で、マヤは喉を潤した。
新妻となったマヤの風呂あがりの艶やかな色気が、ほんのりと漂う。
真澄はマヤを抱き上げると、リビングの灯りを消し、寝室に入った。
真澄はベッドカバーと羽布団を捲ると、そっとマヤをベッドに横たえた。
今宵もまた、熱い愛の交歓が始まる。
マヤは溢れる想いをたたえた瞳で、真っ直ぐに真澄を見あげた。

耳元に囁くのはいつもの定型句 くりかえす
愛撫 吐息 熱
和毛のような
若枝のような 腕が 背の皮膚が
マヤを押し流す
 ある不可解な和合へ
     精緻な 漠大な 源へ
歔欷のような
自分の声が マヤには聞こえる
浮かんでは 消え
帰しては 寄せる。

むせかえるような 薫りを燻らす 肌
脣のはしの 笑み
幻惑。

真澄に愛され、真澄に育まれたマヤの性。
熟成に向かいつつある、ふたりの性。

「マヤ…綺麗だ…」
戦く鋭い性感に恍惚の表情を浮かべるマヤに、真澄は囁いた。
「あ…あ、はやみさん…愛してるわ…」
「マヤ…愛しているよ…」
呼びかけは甘く優しく、ふたりの心に滲み入ってゆく。
真澄は、いっそうの熱情をこめて、全身でマヤを愛してゆく。
今では鍾愛の妻。
快楽に身を震わせるマヤが、真澄には愛おしくてならない。
「ああ…はやみさん…もう…ダメ…!」
「マヤ…一緒に!」
真澄は囁くと、ともに手を携えて、快楽の頂点を目指した。
やがて訪れる、目眩く官能の頂き。
「はやみさん…!」
「マヤ!」
深い性の悦びを共にし、ふたりは唯一の愛を分かち合った。


「おやすみ」のくちづけと、「おはよう」のくちづけ。
それが毎日繰り返されることの、なんという幸福。
寝食を共にし、恋しいひとが待つ家へ帰ることの、なんという幸福。
真澄は、ひとり、その喜びを噛みしめていた。



速水邸に新しく新築された、マヤ専用のレッスンルーム。
今日は日舞の教師が来る日だ。マヤは私室で単衣に着替え、教師の到着を待った。
レッスン室のドアがノックされる。
マヤが扉を開けると、朝倉に付き添われて英介が来ていた。
「お義父さま!ご用ですか?」
「いや、なに、今日は稽古を見せて貰おうと思ってな。」
「あら、珍しい。どうぞ。先生もじきいらっしゃいますから。」
マヤは『藤娘』を習っている最中だった。
やがて教師が到着する。
教師は英介に一礼すると、稽古を始めた。
MDで音楽を流す。音楽に合わせて、マヤが舞う。
「はい、そこで、しなを作って!そうそう!」
「扇はそこで返す!」
「そう、いいですよ、マヤちゃん!」
時々音楽を止めながら、教師がマヤに振り付けていく。
英介の見守る中、たっぷり2時間、マヤは稽古に汗を流した。
「はい、今日はこれまで。順調にいけば、来年には名取りになれるわ。」
「え、本当ですか?」
「ええ。頑張ってね。」
「はい。ありがとうございました!」
教師が帰ったあとも、マヤは新しく振り付けられた分を復習した。
英介は咳払いをすると、マヤに声をかけた。
「あー、マヤさん。」
「はい、お義父さま?」
「順調そうで何よりだ。いい稽古を見せて貰った。これからも頑張りなさい。」
「はい!次の『紅天女』、お義父さまも観にいらして下さいね!」
明るくマヤは英介に声をかけた。
「もちろんだ。『紅天女』、楽しみにしているぞ。」
「はい!頑張ります!」
英介は満足そうに頷くと、レッスン室を後にした。



会社の真澄から電話が入った。
“マヤ、今日は外で一緒に食事をとろう。有楽町マリオンの前に7時、来られるか?”
「大丈夫。車で送ってもらえばいいのね?」
“そうだ。じゃあ、待っている。”
「はい、判りました。」
電話を切ると、マヤはシャワーを浴び、外出着に着替え、念入りに薄化粧した。
「出かけます。車の用意をして下さい。」
マヤは使用人に声をかけた。
玄関に車がつけられる。マヤは車に乗り込むと時間と行き先を告げた。
「真澄さまとお待ち合わせで?奥様?」
「そうなの。送って貰ったら、車は家に戻っていいそうです。」
「かしこまりました。」
初夏の遅い黄昏の風景を車窓から眺めながら、マヤは胸躍らせていた。
もう、人目を憚ることなく、堂々と真澄と外で食事もできる。
恋しいひとが待つ待ち合わせの場所へ、マヤの想いは飛んだ。


車は渋滞に巻き込まれることもなく順調に道を走り、待ち合わせ時刻より20分ほど早くマリオンに到着した。
マヤは待ち合わせで賑わう人の群れを眺めていた。気がつくと、7時。マリオンの時計人形が賑々しく鳴る。
マリオンの前に、滑り込むように黒塗りの車が停まった。真澄だった。
真澄は運転士に指示をすると車を降りた。
「速水さん!」
マヤは人混みを縫って真澄に駆け寄った。
「やあ、奥さん。着飾ったな。」
そう言って真澄は微笑んだ。
「少し歩こう。」
真澄はマヤの肩を抱き、マヤは真澄の背に腕を回して、銀座の街の目映いイルミネーションの下を歩いた。
マヤの笑顔はきらきらと輝き、真澄はそんなマヤを優しく微笑んで見つめた。
西5番街通りに、知る人ぞ知る老舗の鉄板焼きステーキの店があった。
ふたりはその店で鉄板焼きに舌鼓を打った。
その後、腹ごなしを兼ねて、ふたりは帝国ホテルまで、ゆっくり散策した。
ふたりは帝国ホテルのレインボーラウンジにあがり、皇居の黒い森を眺めながら、美酒に酔った。
真澄はバランタインの17年を、マヤはピノを味わった。
恋しいひとと過ごす時間の、なんと満ち足りたことだろうか。
マヤは真澄の肩に頭をもたせかけ、真澄はマヤの腰を抱いた。
昼間の英介の様子などを、マヤは喜々として語り、他愛のないお喋りに興じた。
時刻も10時を回り、ふたりはラウンジを引き揚げた。
待機させておいた車をフロントから呼び出し、迎えの車にふたりは乗り込んだ。
夜の都心を縦断して、車は速水邸に向かう。
車の中で、ふたりは手を繋いだ。



恋しいひと。ようやく叶えた想い。
恋しいひと。もう二度と離れない。


新婚の夜は、交わすふたりの熱い想いを、静かに見守っていた。







終わり






2002/11/15

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