309309番ゲット・美月様リクエスト:やっとキリ番ゲットできました。嬉しい〜。初です、初!
 リクエストは、結婚してしばらくたった後の二人をお願いします。
 マヤちゃんがやりたいと思っていたお芝居の話を、社長が「ラブシーンが多過ぎる」みたいな理由で勝手に断ってしまう。
 (もちろんマヤちゃんにはそんなこと恥ずかしくて言えないから、別のもっともらしい理由を考える)
 でもそのために、マヤちゃんの怒りは爆発して、社長は水城さんにかなり怒られて、
 最後は社長が嫉妬してたことをマヤちゃんに伝えて、仲直りのムフフ・・・で締めてください。 


※美月さん、初リクエストありがとうございます〜。では、簡潔な短編で。





 晴れて『紅天女』後継者としてマヤは本公演を成功させ、一躍時の人となった。
紫織との婚約解消という紆余曲折を経て、真澄との積年の恋も成就させ、
マヤは真澄と華燭の典を挙げた。そして半年。
真澄との結婚生活は、何物にも代え難い幸福な結婚生活であり、真澄に支えられたマヤの多忙な芸能生活も、充実の一途を辿っていた。



 その日、マヤが大都芸能本社の事務所に出社すると、マネージャーの柾木が書類を振りかざしてマヤを呼んだ。
「マヤちゃん、ニュース、ニュース!」
「なあに?舞台?ドラマ?」
「フジテレビ系列の月9ドラマ・ワンクールだよ!相手役はなんと、あの佐藤拓哉!」
「ほんと!?凄い!」
佐藤拓哉とはジャニーズ事務所の華であり、老若男女に幅広く支持され全国のお茶の間で知らぬ人は居ない、芸能界の超大物スタータレントである。
最近やはり大物スター歌手と結婚したが、その人気が衰えることはなかった。
「あの佐藤さんと共演できるなんて!嬉しいわ。あたし、頑張る!」
「おお。やり甲斐だな。出世役だ。頑張れよ。」
「社長の決裁を待って、集合日は来月10日だ。」
「早いわね。急いで準備しなくちゃ。」
マヤはその日から、入念にエステに通い始めた。


 真澄は社長室で、渋面を作りながら、書類に喰い入るように見入っていた。
マヤの今度のくだんのテレビドラマの企画書である。
ドラマの大筋。
ダブル不倫からスタートし、恋に落ちたふたりは、様々な障害を乗り越えて、それぞれ離婚を成立させ、ラストはハッピーエンドで終わる、という粗筋。
視聴率を考慮して、毎回のラブシーン、キスシーンあり情事シーンあり、と、結構な濃い内容だった。
しかも、相手は女には不自由しない佐藤拓哉。結婚したとはいえ、マヤに果たしてどう対応するのか。
よもや、まさかとは思うが、マヤが相手役の魅力に参ってしまうことも、真澄はそぞろ考えた。
こんなにラブシーンが多いとは…。
真澄には、その事実は、いかんとも耐え難かった。
だが、マヤにとっては、飛躍的に名声をあげる、大きなチャンスではある。
真澄は迷いに迷った末、書類に、「却下」の判を押した。


その夜。マヤは喜々として、真澄に今度の仕事の詳細を語った。
「あたし、頑張るわ。速水さん、楽しみにしててね!」
「マヤ…そのことだが…。」
「なあに?」
「いや、何でもない。寝るぞ。」
「はい。」
ベッドに入り、真澄はマヤの体調を確認する。
「マヤ、今夜は?」
「今夜はダメ…。ごめんなさい。あさってなら大丈夫。」
「いいさ。気にすることはない。」
真澄はマヤの頬に軽く接吻すると、ダブルベッドの羽布団に潜った。
「お休み。」
「お休みなさい。」
真澄の腕枕に寄り添って、マヤは眠りに落ちていった。



 翌々日。マヤが事務所に出社すると、柾木が悄然とマヤに告げた。
「マヤちゃん、月9ドラマ、キャンセルになったよ…。」
「ええっ!?なんで!?」
「社長の許可が下りなかった。」
「理由は!?」
「俺は聞いていない。社長に直接聞いてみてくれ。」
「判った!」
マヤは憤然と事務所を飛び出し、社長室に乗り込んだ。


「社長、奥様がおいでです。」
秘書課の一人が真澄に取り次ぐ。
「ああ、通してくれ。」
マヤは社長室のドアが開くと、走って社長室に駆け込んだ。
「やあ、来る頃だと思っていた。」
「速水さん!」
マヤは頬を紅潮させ、息を弾ませて、真澄のデスクに詰め寄った。
「どうして!?どうしてドラマ、演らせてくれないんですか!?」
真澄は僅かに頬を歪めた。そして、徐に煙草に火を点ける。
咳払いをして、真澄はしかめつらしく口にした。
「紅天女ともあろうものが、そうそう簡単に全国区で素肌を晒すものじゃない。『紅天女』は、ウチの大事な財産だぞ。もっと自覚したまえ。」
言って真澄はマヤから視線を逸らした。
「紅天女の名を辱めるようなことはしません!紅天女に相応しい演技、あたし、きっと演り遂げて見せます!」
「駄目だ。」
「どうして!?」
「そもそも、不倫、という設定が悪い。『紅天女』のイメージダウンだ。」
「どんな設定だって、私の演技次第だわ!あの佐藤さんの相手役なんて、こんな光栄なこと、ないじゃないですか!」
「あたしの実力が試される、いいチャンスなのに!」
「駄目なものは駄目だ!」
「社長強権発動なんですか!?酷いわ!楽しみにしてたのに!」
マヤは怒り心頭に発し、ドン、と真澄のデスクを叩いた。
水城が飲み物を運んできた。
「マヤちゃんのドラマの件ですの?」
察しよく、水城が口にする。
「真澄さま、真澄さまは確かに大都芸能の社長でいらっしゃいますけれど、マヤちゃんという金の卵、大事な女優の夫でもありますわ。」
「女優の夫ならば、女優の夫のお立場をお弁えなさいませ。」
「つまらない嫉妬で、せっかくの金の卵のチャンスを潰すのは許されませんことよ!」
真澄は鋭い水城の指摘に、グッと言葉を詰まらせた。だが、平然と反論して見せた。
「嫉妬?嫉妬などしていない。この速水真澄の沽券に関わる。」
「嫉妬?速水さんがあたしに?」
「嫉妬、などという大袈裟なものでもございませんわね、単なる焼き餅でいらっしゃいましょう?」
「いけませんわ。真澄さま、そんなことでは。マヤちゃんの大事なチャンスですわよ!キャンセルは撤回なさいませ。今ならまだ間に合います。」
「紅天女が不倫の恋に身をやつす、十分ニュースバリューではございませんか!話題性十分でしょう?」
「『紅天女』もますます世間の耳目を集めますわ!」
水城の言い分は尤もだった。
「とにかく、俺は承知しかねる!」
真澄はますます意固地になっていた。
「社長命令だ。マヤ、出演は見合わせて貰う!」
「速水さんの意地悪!速水さんなんか、大っ嫌い!」
マヤは憤然と身を翻し、社長室から出ていった。

「真澄さま、たいがいになさいませ!マヤちゃんのチャンスをご自分の我が儘で潰すのは、私の目に余りますわ!」
「俺の気持ちなど、俺以外の誰にも判らん!」
「水城くん、言い分は尤もだが、俺には俺なりの判断がある。今回は、俺の決裁に従って貰おう。」
「真澄さま、よくお考えになりますよう。」
「…判っている。」
真澄は憮然として答えた。



 その夜。
遅くに帰宅してシャワーを済ませた真澄は、寝室のマヤを覗いた。
先に寝たか…。
真澄はブランデーを呷ると、寝室に入った。
遠慮がちに、真澄は声をかけた。
「マヤ…もう寝たか…?」
真澄はマヤの横に横たわった。マヤは背を向けたままだ。
マヤが冷たい口調で答えた。
「…起きてるわよ…」
「口惜しくって、とてもじゃないけど眠れないわ…。」
「悪かった…俺は…マヤが他の男に抱かれるシーンなど、決して見たくなかったんだ…。」
「速水さん…。」
「マヤ、きみはやっと手に入れた、俺の宝だ…他の男になぞ、絶対に渡せない…!」
「あの佐藤拓哉、万一、マヤ、きみが奴に惚れてしまったりなどしたら、俺はどうしたらいいんだ…。」
マヤは寝返りを打って、真澄に正面から向き直った。
「そんなこと、あるわけないじゃない…あたしは速水さんだけのものよ…」
「あたしだって、やっと速水さんとこうして結婚できて、これ以上はないくらい幸せなのに…。」
「本当だな?」
「本当よ。」
「俺はきみという女優の夫だ…女優の仕事ならば、他の男とのラブシーンを我慢するのも、女優の夫の仕事だな…。」
「ラブシーン…そんなに嫌なの?」
「ああ…。マヤは俺だけのものなのに…他の男にこのくちびるを触れさせるなど…とても耐えられないな。」
言って真澄はつい、とマヤのくちびるを指先で愛撫した。
「仕事は仕事よ。速水さんが心配することなんてない…」
「あたしが愛しているのは速水さんだけよ…。」
「本当だな?」
「本当よ。」
真澄は何度も、言葉で愛を確かめる。
真澄はマヤに熱っぽくくちづけた。
性急に真澄はマヤの頬に、髪に、耳朶に、首筋に、くちづけの雨を降らせた。
そして、マヤのネグリジェのボタンをもどかしく外すと、マヤの露わになった白い乳房に、愛撫の手を進めた。
「この肌は…マヤ…俺のものだ…俺だけのものだ…」
熱に浮かされたように、真澄はマヤの肌にくちづけていく。
若々しく弾力に富んだ豊かなマヤの乳房。
何度愛しても、愛し足りない。
激情が、真澄を押し流していく。
嵐のような愛撫で、真澄はマヤを翻弄した。
「あ…あ、はやみさ…ん…」
マヤも真澄の熱情にさらわれ、次第に行為に熱中していく。
マヤの躰の中心が、熱く疼いた。
マヤの歔欷の声が、一際高くなっていく。
真澄は待ち焦がれたマヤを、熱く、巨きく、一気に貫いた。
甲高くマヤが嬌声をあげる。
巧みに真澄は腰を揺らめかせ、深い一体感でふたりは結ばれた。
譫言のように真澄はマヤの名を呼び、睦言でマヤを満たす。
性愛の深まる中、マヤは美しく、そして妖しく、真澄の愛に応えた。
官能の大波に攫われるまま、ふたりは行為で愛を確かめ合った。
高ぶり漲った真澄は、激情の赴くままマヤを絶頂に誘い、その逞しい持続力で、マヤを性の淵深く蹂躙した。
最後はマヤが気を失うまで、真澄は存分にマヤを抱いた。
真澄は、ようやっと満足し、深い眠りに落ちていった。



 真澄が直々にフジテレビのプロデューサーを訪問し、先日のキャンセルを撤回した。
晴れて、マヤは話題のドラマ出演を果たし、その清澄で透徹した演技で、視聴者を魅了していった。
勇躍、マヤは全国区のヒロインとして活躍した。
ラブシーンの撮影のあった日には必ず、マヤは念入りに浴室で身を清め、真澄の腕に抱かれた。
真澄は他の男の肌をマヤから拭い去るように、懇切丁寧な愛撫をマヤに施し、さらに互いの愛を深めていった。


 嫉妬もまた、愛の媚薬。
真澄はあらためて、その愛の真実を学んだ思いだった。











終わり






2002/11/11

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