306306番ゲット・ユキエ様リクエスト:今回めでたくキリ番がゲットできましたので、リクエストお願いします。
 内容は、デートをしていて自分の気持ちを伝えた真澄様が、こらえきれなくなり伊豆にマヤを連れて行きムフフをして、
 アパートに帰すのがイヤになり、自宅に強引に連れて帰り一緒に生活を始めるけれど、
 結婚式を前に自分に自信がないマヤは家出をする。それを捜しだし、めでたくゴールインし幸せを二人してかみしめるというような内容で、
 出演者や細かい事はおまかせしますので、よろしくお願い致します。

※ユキエさま、初ゲットありがとうございます。





 積年の想いを叶え、晴れて結ばれた、マヤと真澄。
長く苦しかった恋の道程のすべて払拭するかのように、真澄は存分にマヤを愛した。
マヤも夢のようなその成り行きに驚きつつも、真澄の愛に応え、いよいよもって真澄を愛した。
真澄への想いを叶えて、『紅天女』の試演は成功し、マヤは月影千草から後継者として上演権を受け取った。
マヤは真澄に上演権の管理を委任し、大都劇場で『紅天女』の緞帳が開いた。
『紅天女』は成功裡に終えられ、マヤは一躍、時の人となった。
ふたりの仲は極秘に伏せられていたが、多忙なスケジュールを縫っての逢瀬のたびに、真澄の愛に育まれ、マヤは日々美しく輝いた。



 日曜日。
その日は真澄の運転でふたりはお台場のデートスポットを巡った。
観覧車に乗り、東京湾の夜景の耀よいに、マヤは歓声を上げた。
そんなマヤが真澄には愛おしくてならず、観覧車の中で真澄はマヤの手をとって、マヤを抱き締め、マヤに接吻した。
「マヤ…可愛いよ…」
「速水さん…」
真澄の腕の中で、マヤは幽かに震えた。

夕食は、南青山の知る人ぞ知るレストラン。
健康な食欲を見せるマヤを、真澄は笑って眺めていた。
その日は、夕食を終えたらマヤをマンションまで送る予定だった。
食事を終えて車に乗り込むと、真澄は青山通りを飛ばした。
「なんだか、帰りたくないな…。」
マヤが名残惜しげに呟いた。
「俺もだ。」
真澄は片手でハンドルを握りながら、片手でマヤの手を取った。
「よし。予定変更だ。今夜は帰さない。」
「えっ…?」
「マヤ、今夜は一緒に過ごそう。」
「でも…」
「いいから。」
真澄は車を首都高に向けた。首都高から東名高速に入る。
真澄はマヤの手を離し、両手でハンドルを握ると、車のスピードを上げた。
時速140キロ。車の警告音が鳴る。マヤは思わず両足に力が入った。
夜の高速道路。対向車のヘッドライトが眩しい。前を行く車のテールランプに真澄はあっという間に追い越しをかけていく。

東名を厚木インターで降り、東伊豆道路を真澄はひた走った。
夜の海が、車の左手に遥かに開けていた。
やがて、下田に車は入った。
真澄の伊豆の別荘である。
真澄は車庫に車を付けた。



「マヤ、着いたぞ。」
「うん…」
「足元に気をつけろ。」
真澄はマヤの肩を抱いて、別荘の急な階段を上がった。
真澄は別荘に入ると部屋の灯りをつけ、暖房を入れた。
真澄の伊豆の別荘。
ここは、マヤが初めて真澄と結ばれた、思い出の場所である。
マヤはひととき、懐かしそうに部屋を見渡した。
真澄がキッチンで珈琲を淹れ、リビングに運んできた。
マヤのコートを脱がせると、コートハンガーに掛ける。
真澄もコートを脱いで、ハンガーに掛けると、ソファに並んで腰を下ろし、珈琲を口にした。
芳ばしく香る珈琲は、成り行きに緊張気味だったマヤの神経を、ゆっくり解きほぐした。
マヤが珈琲を飲んでいる間、真澄は寝室に上がると、寝室の暖房をつけた。
真澄はいったんリビングに降り、珈琲を飲みながら、煙草を燻らせた。
「マヤ…。」
呼びかけは優しく、恋はいつも躊躇いがちにその訪れを告げる。
真澄は煙草を揉み消すと、マヤを抱き上げ、寝室に向かった。

真澄はその熱情の赴くまま、マヤをベッドに横たえ、くちづけながら衣服を脱がせていく。
すっかり全裸にさせられたマヤは、肌寒さに身体を震わせた。
「寒いか?じきに暖めてやる。」
真澄は自分も全裸になると、マヤにしっかりと覆い被さった。
マヤの裸の胸に、真澄の力強い、速い鼓動が伝わってくる。
触れ合う肌と肌。
真澄の熱した肌の温もりが、マヤの冷えた体を暖める。
「速水さん…あったかい…」
「もっと熱くしてやる…」
真澄の情熱に溢れた愛撫。
マヤは次第に夢中にさせられていった。
性愛の時は深く沈黙して、ふたりの上を流れていく。
「あ…あ…はやみ…さん」
「マヤ…!」
真澄は熱く、巨きくマヤを貫きながら、しっかりとマヤをその腕に抱き締めた。
マヤは真澄の熱情に圧倒され、真澄の腕の中で身悶えた。
やがて訪れる、目眩く絶頂の時。
互いに名前を呼び交わしながら、ふたりは性の悦楽を共にしていった。
その夜、真澄は幾度となくマヤに挑み、マヤは真澄の腕の中で、歓喜に浸りきった。
夜の帳は降り、ふたりは深い眠りに落ちていった。



 翌朝早朝、マヤは真澄に揺り起こされた。
真澄は既にシャワーを浴び、着替えていた。
「おはよう、マヤ。」
「あ、おはよう、速水さん。」
「シャワーを使ってくるといい。」
「うん。」
マヤは脱ぎ散らかした衣服をまとめると、素早くシャワールームに消えた。
やがて着替えて、マヤは浴室から出た。
真澄は階下で珈琲を淹れていた。
マヤが降りていくと、真澄は別荘番に別荘の片づけを連絡しているところだった。
ひととき、朝の珈琲を飲んで人心地つくと、真澄はマヤを促した。
「東京へ戻ろう。行くぞ。」
朝の伊豆の海は、遅い夜明けを迎えて、遠い水平線がほの白く光っていた。
マヤは昨夜の寝不足もあり、車の助手席で浅いうたた寝に落ちた。
真澄はマヤを傍らに、車を飛ばす。
マヤはふと、目覚めて車窓の風景を眺めていた。
真澄が、意を新たにして、マヤに告げた。
「マヤ、俺はもう、別々に暮らすのは嫌だ。これからは俺の家で一緒に暮らそう。」
「婚約発表も、さっさと済ませてしまおう。」
「えっ…?」
「マヤ、俺の家に、これからきみを連れて帰る。」
「待って、速水さん。そんな急な…」
「もう、待てない。マヤ。」
「きみの荷物は今日中にでも、家に運び込ませるから。」
1時間半ほどで、車は速水邸に到着した。


「お帰りなさいませ。」
「真澄さま、お帰りなさいませ。」
速水邸づけの社員と使用人が玄関に迎えに出る。
真澄は家の者一同をダイニングに集めるよう命じると、マヤを連れてダイニングに入った。
「こちらは北島マヤ。俺の婚約者だ。今日から家で暮らす。一同、よろしく頼む。」
「かしこまりました、社長。」
「かしこまりました、真澄さま。」
「朝食の用意を。」
真澄は命じた。
テーブルについたマヤと真澄の前に、手際よく朝食が用意されていく。
「マヤ、今夜、親父に挨拶に行くからな。」
「速水さん…」
マヤはすっかり真澄のペースに巻き込まれ、半ば混乱していた。
「マヤ、今日の予定は?」
「大都芸能本社で、3時に打ち合わせだけど…」
「それはちょうどいい。打ち合わせが終わったら、社長室に来てくれ。婚約記者発表の相談だ。」
「俺は先に出社している。」
朝食を済ませ、真澄は席を立った。
真澄はマヤのマンションの荷物を速水邸に運ばせる段取りを取らせた。
真澄はマヤを私室に連れて行った。
「マヤ、ここがこれから俺たちの部屋だ。これからは安心してここで暮らしていいぞ。」
「でも、あの…」
真澄は手早くビジネススーツに着替えると、マヤに軽く接吻した。
「行ってくる。みんなと一緒に送ってくれ。」
「あ、はい…」
マヤは真澄に付いて、玄関に出た。
「行ってらっしゃいませ。」
「真澄さま、行ってらっしゃいませ。」
使用人達が真澄を見送る。
「ああ。マヤ、じゃあ後で。」
「あ、行ってらっしゃい…」
真澄は迎えの車に乗り込んだ。車は滑るように発進し、瞬く間に速水邸の門から出ていった。



「マヤさま、邸内をご案内します。」
使用人が、マヤに屋敷の中を一通り案内した。
「マヤさま、ご昼食でございます。ダイニングへどうぞ。」
「あ、はい、ありがとうございます。」
「マヤさま、御礼はご無用ですよ。」
「ご用は何でもご遠慮なくお申し付け下さいませ。」
「え?はい…。」
マヤは戸惑う一方。
その日の午後には、マヤのマンションからマヤの荷物がまとめられ、速水邸に運び込まれた。
客室の一つが当座のマヤの私室として、誂えられた。
あっという間の成り行きに、マヤは当惑するばかりだった。
その日から、マヤの速水邸での生活が始まった。



 婚約発表の手はずも整い、英介への挨拶も済ませた。
マヤは真澄と寝食を共にし、真澄は家では片時もマヤと離れなかった。
やがて結婚式の準備も着々と進んでいた。
掃除も洗濯も、食事の支度も、一切使用人任せの生活。黒塗りの車での、外出先への送迎。マヤはどうにも馴染めなかった。
真澄は悠然と普段通りの生活を送る。
マヤを間近に手に入れて、真澄はこのうえなく満足していた。



 結婚式も間近に迫ったというある日。
真澄が帰宅すると、マヤの姿がない。
どうしたのか、と真澄は家の者に尋ねるが、昼間出かけたきり、まだ帰っていないという。
夜も更け、真澄は焦燥を募らせた。
マヤのマンションは、とうに引き払っている。

(どこへ行ったんだ?何があったというんだ!?)
(外泊?そんな話は聞いていないぞ…)

真澄は苛々と煙草を続けざまに吸った。
深夜まで真澄はマヤからの連絡を待ったが、一向にマヤからの連絡は無かった。

(家出!?まさか…)

真澄は青木麗に連絡してみた。
「もしもし、青木くんか?夜分に済まないな。マヤがそちらに行っていないか?」
“速水社長?マヤですか?夕方、ウチに寄りましたけど、帰っていないんですか?”
「ああ…。君のところでないとすると…マヤはどうしたんだ…何か言っていなかったか?」
“いえ、どこへ行くとも何も。”
「判った。こちらで探させる。夜分に悪かった。」
“速水社長、ご心配でしょうが、マヤのことですよ、きっと明日にはケロリとしてますよ。大丈夫ですよ。”
「ああ、ありがとう。」
釈然としないまま、真澄は電話を切った。
次に、水城の個人宅に電話を入れる。
“真澄さま?どうなさいました、こんなお時間に?”
「ああ、済まない。マヤが失踪した。悪いが、明日の予定は朝からすべてキャンセルにしてくれ。マヤを捜す。」
“ま、それは…承知しましたわ。マヤちゃん、無事見つかりますよう。”
「では、頼んだ。」
“かしこまりました。真澄さま、ご心配でしょうが少しでもお休みなさいませ。”
「ああ。判っている。」
真澄は電話を切って、部屋に運ばせたブランデーを呷った。

(マヤ…いったいどうしたというんだ…)

不安と焦燥とが、真澄の胸を焦がす。
真澄は酒の勢いを借りて、その夜は明け方になんとか寝付いた。



 翌朝。
真澄は自分の車を出すと、心当たりを一通り回ってみた。
麗と暮らしていた昔のアパート、当時行きつけの喫茶店、劇団一角獣と共演した地下劇場、北島春の墓。
春の墓には、線香を炊いた痕があり、マヤがここに立ち寄ったことが窺われた。
横浜のどこかに、マヤは居る。真澄は確信して、山下公園に車を向けた。
公園駐車場に車を停めると、真澄は広い午後の山下公園をあてどなく彷徨った。
真澄は氷川丸を臨む埠頭に足を向けた。
遠くに、小さく、マヤの後ろ姿を真澄は見つけ、思わず真澄は駆け出していた。
「マヤ!」
真澄はマヤに駆け寄って、マヤを抱き竦めた。
「は、速水さん…!」

「捜したぞ…一体どうして家出なんかするんだ!」

「あたし…自信なくて…速水さんと結婚なんかしちゃう自信なんて、ない…恐い…」
「あたしには親もいないし、身分違いだわ…社長夫人なんて、務まらない…」

「そんなことか…」
真澄は心底安心したというように、口もとを緩めた。

「そんなこと、って…あたしには一大事だわ…」
「大丈夫だ。何も心配することはない。マヤ、俺にはきみだけが唯一つの生き甲斐なんだ。俺と離れたりしないでくれ…!」
「マヤ、俺についてきてくれ。頼む。」
「速水さん…」
「それとも、マヤ、きみは俺と一緒の人生は厭なのか?」
「そんなことない…けど…」
「マヤ、俺はきみを愛している…!」
真澄は言うと、衆目も憚らず、マヤに深く口づけた。
ひとしきり真澄はマヤのくちびるを貪ると、そっとくちびるを離した。

「帰ろう、家へ。」
「マヤ、俺は一生をかけて、きみを全力で守る。約束する。マヤは何も心配しないで、すべて俺に任せてくれればいい。」

「速水さん…あたし…」

「うん、何だ?」

「こんなあたしでいいの…?」
「俺にはマヤ、きみしかいない。きみだけが、俺のすべてだ。ありのままのマヤを愛しているんだ…!」
マヤの双眸が涙で潤む。

「ごめんなさい…心配かけて…」

「約束してくれ、二度と俺から離れたりしないと…」
「約束するわ…」
「本当だな?」
「本当よ…」
真澄はマヤを抱く腕に力を込めた。
春の微風が海からそよぎ、ふたりを包んで吹き渡って行った。



 ふたりは山手十番館で遅い昼食をとり、港の見える丘公園を散策した。そして、マリンタワーから、港に落ちる夕日を眺めた。
「横浜か。きみは横浜出身だったな。」
「うん。母さんと住み込みで働いていたラーメン屋さん、もう別のお店に変わっていたわ。」
「月日というものは、振り返れば、他愛のないものになっていくものだ。残っていくのは、ただ静かな愛惜ばかりだな。」
「マヤ、俺と、そういう人生を一緒に歩んでくれ…。」
「…ええ、速水さん…」
マヤはうっとりと真澄の胸に身を凭せかけた。



 6月。マヤは花嫁となり、真澄と華燭の典を挙げた。
新婚旅行から帰り、速水邸で真澄との新婚生活が始まった。
婚前同居からの変わりない生活とはいえ、結婚式を境に、マヤの内部で変化が起こっていた。
『奥様』と呼ばれるたびに、初々しくマヤは頬を染め、真澄に確かに愛されているという確信が、マヤを次第に変えていった。
マヤの若々しい新妻の風情に、真澄はいっそうの愛を深め、夜ごと囁く睦言でマヤのすべてを満たした。



幸福は何処にある?
それは、愛する人の瞳の中に。
幸福は何処にある?
それは、み空なるみ神の限りない祝福の内に。
幸福は生命。
幸福は無限の悠久。彼方の時を遥かに巡る。



「速水さん…あたし、幸せよ…」
「マヤの幸福が、俺の幸福だよ。」

新しく新築したふたりのリビングで、ふたりは唯一の幸福を分かち合った。
「結婚してよかったな。」
「うん。速水さん。愛してる…」
「マヤ、愛しているよ…」
ひととき、ふたりは眼差しを交わし、くちづけを交わした。


新婚の幸福な熱い夜が、この夜もまた始まった。






終わり






2002/11/8

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