302302番ゲット・sakura様リクエスト:連続のゲットに恐縮をしておりますが、
 ユーリさんのサイトでこのような幸運な事は二度とはないだろうと思いまして、ズーズーしくもリクエストをお願いします。
 狙っていた方、ゴメンナサイ。次はあなたです。
 リクエストは  結婚生活第二弾。 真澄さんの三年目の浮気・・・疑惑。 
 今度は嵐を呼んで貰いましょう。 真澄さんがどう言い訳するのか楽しみです。 仲直りは、ふふふのふ〜ぅ♪ 当然の如く熱く熱くでお願い致します。

※おお、来ましたね(笑)浮気ネタ(笑)さて、どうしましょうね。





 マヤと真澄は3回目の結婚記念日を迎えた。
光陰矢の如し。
マヤも真澄も、このうえない幸福のうちに日々は巡り、振り返ればまるで白日夢でも見ていたような月日だった。
マヤも『紅天女』女優として、その地位を盤石のものとして多忙な芸能生活を送り、
真澄も大都グループ経営の要人としてますます業務に忙殺される日々を送っていた。
ゆっくりと夫婦の時間を持つことは滅多に無かったが、それでもふたりは幸福であった。



 恒例となった『紅天女』3ヶ月ロングランも無事千秋楽を迎え、マヤは久々に自宅・速水邸でオフの日を迎えていた。
やっと自由な時間もとれる。真澄と少しはゆっくりしたい。
マヤは速水邸のレッスン室で声楽、日舞、ダンスの基礎訓練を続けながら、真澄の身体が空く日を待っていた。
だがマヤの公演中からここ1か月ほど、真澄の帰宅は深夜に及び、自宅に仕事を持ち込むことも多かった。
マヤは真澄より先に眠ってしまっており、マヤが早朝トレーニングに起き出すと、真澄はまだ眠ってる、というすれ違いが続いていた。
朝食は一緒に取ったが、朝食の時間だけが、ふたりが顔を合わす唯一の時間となっていた。

朝食の席。
「真澄さん、今日も遅いの?」
「ああ。悪いな。ここのところ仕事が立て込んでいてな。マヤはゆっくりしていてくれ。」
「そう。身体に気をつけてね。」
「ありがとう。判っている。」
ふたりは朝食を終えた。
「じゃ、行ってくる。」
「行ってらっしゃい。」



 このひと月ほどの間、真澄はマヤに指一本触れるどころか、接吻のひとつも交わすことは無かった。
真澄の愛情を信じ切っているさすがのマヤも、そぞろ心許なくなってきていた。
かつて、どんなに忙しくても、これほどすれ違いが長く続いたことは無かった。
そんな日が続いていた或る日。マヤは先に眠らないで、起きて真澄の帰宅を待っていた。
自宅付けの社員に指示を出しながら、真澄は書斎へ向かった。
真澄に傅く社員が真澄の上着を脱がせた。マヤはその社員に声をかけた。
「社長のお洋服、私が片づけます。」
「これは奥様、遅くにご苦労様です。」
社員は一礼して、真澄の上着をマヤに渡した。
ふっ、と上着から、何かの香水の匂いが香った。
隠しきれない移り香が、いつしか上着に染み付いたのだろうか。
(これって…女性の香水?)
(速水さんが、女の人と…?)
(まさか…)
真澄を盲愛しているマヤでも、さすがに疑心暗鬼に陥った。
上着のポケットの中身を確かめ、クリーニング用の棚に置く。
ポケットから出した万年筆、名刺入れ、財布、をマヤは控えの社員に渡した。
「これを社長へ渡して下さい。私はもう寝ます。」
「はい、奥様。かしこまりました。お休みなさいませ。」
「お休みなさい。」


マヤは夫婦の寝室のダブルベッドで、なかなか寝付けなかった。
転々と寝返りを打っては、溜め息をつく。
ひとり寝がこれほど寂しいと思ったことは、結婚以来初めてのことである。
(速水さんに女の人がいる!?…考えられない。考えたくない…)
次第に頭を擡げてくる不敵な思考を振り払うように、マヤは寝返りを打った。
そして、いつしか、昼間の疲れから、深い眠りに落ちていった。



 「もしもし、あ、聖さん?」
“マヤさま、これはこれは。お久しぶりです。お元気ですか?”
「あの…言いにくいんだけど…」
“はい?どうかなさいましたか?”
「速水さん、この頃、つき合っている女の人がいるみたいなの…」
“まさか。真澄さまに限って、そのようなことは決してございませんよ。”
「でも…このところ夜はまともに一緒に寝ていないし、この間は上着から女の人の香水の匂いがしたの…」
「こんなこと、相談できるの、聖さんしかいなくて…」
悄然とマヤは電話口で意気消沈していた。
“きっとお仕事でございますよ。ご安心下さい。この聖が確認してご連絡致します。”
「そう?よろしくお願いします、聖さん。」
“元気をお出し下さい、マヤさま。きっとご安心できるお答えをご用意しますから。”
「ありがとう。聖さん。私の個人用の電話番号をお伝えしておきますね。」
“かしこまりました。この番号でよろしいですね、では後日。”
「はい、聖さん。」
マヤは電話を切って、重苦しい溜め息をついた。
聖なら、きっと確かな情報を伝えてくれるだろう。気持ちを切り換えて、マヤはレッスンに励むことにした。



 3日後、マヤの私室の電話が鳴った。
「はい、北島マヤです。」
“マヤさま、聖です。”
「あ、聖さん、早速ありがとう。」
“今日は外へ出られますか?書類をご用意しましたので。”
「ええ、大丈夫。」
“では新宿、ヒルトンホテルの地下、ヒルトン・パティセリーで5時にお待ちしています。”
「判りました。行きます。じゃあ後で。ありがとう、聖さん」
“いいえ、お易いご用ですよ。”
聖の確固とした口調に、マヤは慰められた気がした。

マヤは着替え、薄化粧して外出の支度をした。
「出かけます。車の用意をしてくれる?」
使用人にマヤは命じた。
じきに玄関に車が回ってくる。マヤは車に乗り込んだ。
「奥様、今日はどちらまで?」
運転士が尋ねる。
「新宿ヒルトンホテルまでお願いね。駐車場で待っていて。用が済んだら、呼びますから。」
「かしこまりました。」

30分ほどで、車はヒルトンに着いた。
マヤは地下に降り、指定された店を探した。女性向けの洋菓子を取り扱っている店だった。
色鮮やかなさまざまなケーキがウィンドウに並んでいた。
ちょうど夕方5時。マヤは店に入ると、聖を探した。
聖は店の一番奥のテーブルについていた。
「こんにちわ。聖さん。」
「お久しぶりですね、マヤさま。」
「聖さんもお変わり無さそうで良かった。」
「マヤさま、すっかりお綺麗になられましたね。いい若奥様におなりだ。」
聖とも、高校生の時からのつき合いになる。
「そんな…あたしはちっとも変わっていないわ。」
「マヤさま、お好きなケーキをご注文なさいませ。こうしたお店もお久しぶりでしょう?」
聖の心遣いが、マヤには有り難かった。
「ありがとう。じゃあ、これとこれ。」
マヤはメニューを指差して、ウェイターを呼んだ。
「お飲物は?」
「ロイヤルミルクティを。」
「僕はエスプレッソを頼む。」
オーダーが済んで、品物が運ばれてくると、聖はブリーフケースから書類を取り出し、マヤに手渡した。
「これがご心配の人物です、マヤさま。」
マヤは書類に目を通した。
「西郷かおる子?」
「西郷かおる子。46歳。音楽業界ではトッププロモーターです。音楽評論家でもあります。」
「真澄様は西郷女史のミュージックライフ社を大都と合併とはいかないまでも綿密な業務提携を狙っておいでです。」
「ひと頃は連日夜、西郷女史とお出かけになっていらしたようで。」
「ダンスホールなども行かれたようです。それで香水も移り香があったのかもしれませんね。」
「昨日、やっと西郷女史が提携を決定されたとのことです。真澄さまも大分西郷女史には口説かれたご様子ですが。」
「マヤさまがご心配になるようなことはありませんでしたよ。」
「真澄さまは正攻法で、業務提携を確立されました。」
「なあんだ、随分年上の人なのね。あたしはてっきりもっと若い人かと思ってた。」
「真澄さまも、これで一段落なさることでしょう。」
「マヤさまも、ご安心下さい。」
マヤは、ほうっと溜め息をついた。
「真澄さまが、マヤさま以外の女性を求めることなど、決してございませんよ。」
聖は断言した。マヤは、長年のつき合いになる聖、真澄との架け橋を担ってくれた聖に断言されて、ようやく心から安心した。
マヤの双眸が潤む。
「よかった…聖さん、ありがとう…」
「マヤさまも、あまり真澄さまをお責めになりませんよう。」
「判ったわ。」
「さあ、マヤさま、甘い物を召し上がれ。お好きでしょう?」
「ええ、聖さん。」
マヤは、ようやっと落ち着いて、ケーキに手を伸ばした。
「美味しい!」
「それはよろしゅうございました。」
ひととき、マヤは聖と歓談すると、書類を持って、席を立った。
「聖さん、今日はありがとう。助かりました。会計は私が。」
「それはそれは。お気遣いありがとうございます、マヤさま。ではお元気で。」
「聖さんも元気でね。また、ゆっくり会いたいわ。」
「ええ、いずれまた。」
マヤは笑顔聖と別れ、店を出た。フロントに上がり、車を呼ぶ。
正面玄関に速水家の車が出てきた。マヤは車に乗って、帰宅を運転士に告げた。



 「奥様、今日は社長が早くお帰りになるそうです。お夕食をご一緒にとのことでした。」
「判りました。ありがとう。」
(ほんとに聖さんの言った通りだわ…)
夜8時過ぎ。真澄が帰宅した。マヤも社員とともに玄関に迎えに出る。
「お帰りなさいませ。」
「お帰りなさい、真澄さん。」
「ただいま。マヤ、今日はゆっくりできるぞ。」
「食事の支度が出来ているわ。いただきましょ。」
「ああ。」
社員達は控え室に下がっていった。
真澄は久々に晴れ晴れとした表情で、マヤと夕食を共にした。
そして夫婦の居間に上がり、飲み物を運ばせた。
「真澄さん、これ。」
マヤは夕方聖から渡された書類を真澄に渡した。
真澄は中を覗いて、苦笑した。
「なんだ、マヤ。調べさせたのか。聖か?」
「そうよ。あんまり真澄さんが構ってくれないから、てっきりあたし、他に好きな女の人が出来たんだと思った。」
「バカなことを。仕事で忙しいと言ったろう?」
「仕事とはいえ、他の女に触れた手で、マヤに触るのが嫌だったんだよ。」
「厄介な仕事だったが、やっと済んだ。だから、こうして、今日は早く帰ったんじゃないか。」
「誘惑されたんじゃないの?」
「まあ、な。だが、俺は公私混同はしないさ。」
「俺にはマヤ、きみさえいてくれれば、それで十分幸せだよ。他の女など目に入らない。」
キッバリと真澄が言い切った。
マヤは目を瞠って、真澄を見つめた。
「ごめんなさい、疑ったりして…。あたし、寂しかったの…」
マヤは俯いた。
「済んだことだ。悪かったな、心配させて。」
「早く風呂に入っておいで。今日は久しぶりにゆっくりベッドで休めるぞ。」
マヤは頬を赤らめて、頷いた。



久しぶりの真澄の愛撫に、マヤは熱く燃えた。
真澄もまた、久方ぶりの愛戯に熱中した。
マヤに接吻の雨を降らせ、マヤの全身隈無く愛撫の手を滑らせる。
真澄によって刻まれる愛の一刻。
マヤは妖しく美しく、それに応えた。
熟成に向かいつつある、ふたりの性。
真澄の愛戯にマヤは過敏に反応した。
熱した肌と肌を重ねて、ふたりは躰で愛を確かめ合う。
「マヤ…愛している…」
「もっと言って…」
「愛している…愛しているとも…」
「ああ…真澄さん…愛しているわ…」
ふたりの愛の営みの時。夜の時間は緩やかに流れ、夫婦の祝福された愛を見守っていた。
真澄の極まった熱が、立て続けにマヤを襲う。
真澄の腕の中で、マヤは目眩く絶頂に導かれ、心身ともに幸福に満たされた。
真澄の愛は万全であり、マヤは確かに愛されている確信を得た。
繰り返し、繰り返し、真澄は睦言でマヤを満たす。
マヤもまた、真澄の愛に、躰で応えた。
その夜幾度となく真澄はマヤに挑み、マヤは真澄との性愛の交歓を満喫した。
熱い、熱い、夜が、しんしんと更けていった。




 結婚3年目の夫婦の間に打ち寄せたささやかなさざなみは、こうして二人から引いていった。







終わり






2002/11/4

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